社会情勢の急激な変化で、新たにインサイドセールスを始めようと考える企業も増加の一途を遂げています。インサイドセールスを急いで導入したものの、その運用の難しさを実感している方もいるのではないでしょうか?
今回は、インサイドセールスの導入や運用の際に参考にしたい書籍をいくつかご紹介したいと思います。効果的にインサイドセールスへの理解を深めるおすすめの良書を、基本編4冊、応用編2冊の計6冊ピックアップしました。
「そもそもインサイドセールスとはなにか?」「導入や運用の方法は?」など基本的な疑問や先入観の解消、より高みを目指すための情報収集手段として参考になれば幸いです。
1. インサイドセールスとは
本のご紹介前に、簡単にインサイドセールスについてご説明します。
インサイドセールスとは、電話やメール、チャットなどによる非対面のコミュニケーションを軸に、顧客へアプローチする営業手法です。リードの状況に合わせたコミュニケーションを積み重ねて営業効率アップを目指します。顧客先には訪問せず、電話やメールといった手段によって顧客とコミュニケーションをとることで、将来の購買行動につなげる効率的な営業手法です。メリットは役割分担による効率化、無駄な営業によるコスト減のなどが挙げられます。
▼インサイドセールスの機能
2. インサイドセールスのおすすめ本6選
〜基本編〜
本題の、おすすめのインサイドセールスの本をまずは4冊紹介していきます。1冊だけではなく、全てをセットで読むことでさらに理解を深めることもできます。
1.THE MODEL(ザ・モデル)
引用元:Amazon
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
インサイドセールスのみを紹介しているわけではありませんが、「黒本」として有名になったインサイドセールスに関する代表書籍の1つです。この本は、「マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセス」によるプロセスを紹介し、その1つとしてインサイドセールスを解説しています。どのようにしてアメリカから日本に広まったのか、インサイドセールスの全体像やオペレーションのポイントはなにか、著者である福田康隆さんが自身の経験を元に解説しています。
私自身はこの本を複数回読んでいますが、インサイドセールスのみならず、営業のプロセス、組織づくり、チームづくり、そして経営者目線での考え方等の仕事において重要なことがぎっしり詰まっているなと感じます。読み進めやすいストーリー調の展開にもなっているので、1度だけでなく何度も読んで欲しい1冊です。
2.インサイドセールスの実務―売上を3倍に増やす驚異の営業支援システム
引用元:Amazon
インサイドセールスの実務―売上を3倍に増やす驚異の営業支援システム
2013年発刊のこの本は、私が知る中で最も古いインサイドセールスの解説書です。日本でインサイドセールスが導入されはじめた時に発行されているので、「インサイドセールスとは」「これまでの営業やテレアポとの違い」「どんな効果があるのか」等、インサイドセールスをこれから学ぶ人が、最初に知っておきたい基本的な内容を網羅している1冊です。
3.インサイドセールス 究極の営業術
引用元:Amazon
インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる
インサイドセールスの理論はさることながらユーザベース社を中心に、セールスフォース・ドットコム社、マルケト(現在はAdobe)社、ベルフェイス社を例に挙げながらインサイドセールスを成功させるための「組織づくり」を学ぶことができます。ユーザベース社は著者である水嶋玲以仁さんが、実際にコンサルタントとしてインサイドセールスの導入支援をしていました。インタビューで出てくる担当者も1名ではなく、複数人にインタビューをして現場目線での生の声を聞くこともできます。
「自社にインサイドセールスを導入したものの、上手くいっていない」「インサイドセールスを立ち上げたいが、社内で同意を得られない」等に陥っているリーダーやリーダー候補におすすめの1冊だと思います。
4.インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
引用元:Amazon
インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド
最後に紹介する本は、このコラムでご紹介している中でも一番新しい、通称「白本」でおなじみになりつつある本です。著書はセールスフォース社とビズリーチ社でインサイドセールス部門を成長させた立役者でもあり、インサイドセールスの第一人者でもある(私が勝手に尊敬している)茂野明彦さんです。
この本は、インサイドセールスの基本的な概念からインサイドセールスの立ち上げ方、組織の育成方法、具体的なインサイドセールスの活動手法までも説明がされています。非常にわかりやすくかつ体系的に書かれており、インサイドセールスの第一人者の凄さを感じられる一冊です。あまり解説されているのを見かけないBDR業務に関しても「ここまで詳細に書いて大丈夫?」と心配になるほど具体的でした。
私も何回か読みましたが、インサイドセールスを行っている実際のメンバーや、メンバーを管理しているマネージャー、営業組織を効率化させたいと考えている経営者まで多くの方におすすめの本です。またダウンロード特典で、CLIP&PAPERのフレームワークがついており、インサイドセールスにとって最も重要な「製品知識」に関して体系的に整理できるので、こちらも利用することをおすすめします。
ちなみに余談ですが、本書の中で弊社COOの阿部も「インサイドセールス立ち上げのポイント」に関してインタビューを受けているのでぜひ読んでみてください(笑)。
〜応用編〜
ここでは、インサイドセールスに直接の関係はないものの、読んでおくとインサイドセールス実務でも参考になる本を2冊紹介いたします。私自身、これらの本を読んだことでインサイドセールス業務にとても役立ちました。
5.チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
引用元:Amazon
チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
主にフィールドセールス向けだと思いますが、インサイドセールスの実践に役立つ手法も学べる本です。世界有数のアドバイザリー会社CEBにおいてディレクターを務めたマシュー・ディクソンさんとブレント・アダムソンさんによって書かれたもので、4年間・90社・6,000人にものぼる調査によって判明した複雑な営業の成功ポイントが複数書かれています。
また、企業の販売員を5つのタイプに分け、そのうち、「チャレンジャー」だけが高いパフォーマンスを継続的に発揮できると本書では結論づけてられています。そこで、「チャレンジャー」になるために必要なスキルや行動、知識、態度に関して事例をもとに説明されており、本書の中で新しいセールス・モデルとして提唱されています。
顧客との関わり方を戦略的に捉え、どうコントロールしていくかという視点は実際の架電業務でも非常に参考になりました。
6.事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践
引用元:Amazon
事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践
インサイドセールスをするに一緒に学ぶべきなのが「BtoBマーケティング」の考え方だと思います。
この本は、BtoBマーケティングに関するコンサルティングを行う才流社の代表でもある栗原康太さんが執筆された本です。内容としてはBtoBマーケティングが主ですが、基本的な考え方や特徴、良い商談を生むための設計方法等を解説し、さらに11個ものケーススタディを用いて具体的に記載しています。
テレワークが中心となりオンライン化が加速する中で、インサイドセールスが電話やメールだけではなく、マーケティングの知識を持ちながらコンテンツ作成をすることも重要になっていきます。BtoBマーケティングについての基本や全体像を理解したい方はもちろん、インサイドセールスとして自身の市場価値を上げたい方にもおすすめな1冊です。
ちなみに私は現在マーケティングを行っているので、この本でリード獲得の大変さも感じていただけると幸いです(笑)。
3. まとめ
日本でのインサイドセールスの認知度は上がってきているものの、まだまだ歴史が浅く十分なノウハウを持つ企業も少ないため、インサイドセールスに関する本もそれほど多くはありません。
しかしインサイドセールスの導入・拡大方法や基本的な知識、具体的なノウハウを得るためには、本の活用は非常に効果的で、具体的な課題の掘り起こしや成果に繋がるヒントも見つかります。この記事が、営業活動に関する情報収集の一助になれば幸いです。
今後も弊社のインサイドセールスに関する情報を発信していきます!