及川 瑞生氏 / 株式会社日本財託【インサイドセールス図鑑】

インタビュー・対談

不動産販売・管理を中心に資産形成をサポートする株式会社日本財託にお勤めの及川瑞生さんにお話を伺いました。及川さんは学生時代から8年間いたブライダル業界から、株式会社日本財託のインサイドセールスに転職されました。入社後4ヶ月目~2年4ヶ月連続で1位をキープし続けています。

――これまでのキャリアとインサイドセールスへのキャリアチェンジを決めた理由は何ですか?

前職ではブライダル業界で新規の営業からウエディングプランナーなど、全ての部門に携わらせていただきました。社会人として4年間、学生時代を含めると8年間ブライダル業界にいました。ブライダル業界ではもちろん大変なこともたくさんありましたが、それ以上にやりがいや、お客様と1つの結婚式を作り上げるという楽しさを学びました。しかし、人生は一度きり。このままずっとブライダル業界でいいのか。他の仕事に就いた時、自分に務まるのか。そう思い始めました。そこで、自分の可能性を広げたいという思いで転職を決めました。正直、転職するときにはインサイドセールス(以下、IS)のイの字も知らず、電話営業というイメージを持っていました。社長と面接した時に「よく頑張ってきたね」などプラスの言葉で話してくださり、この方の元で働くことができたら常に前向きに働けそう。そう思い、社長の人柄に惹かれ、入社を決意しました。

――入社当社から今担当している業務について教えてください。

転職をきっかけにISという職種に出会って、2023年の1月で丸3年になります。入社まではテレアポのイメージを持っていましたが、蓋を開けてみるとむしろ電話以外に時間を割くほうが多かったです。弊社はBtoCの業界で、お客様はビジネスパーソンです。そのため、できるだけ業務の邪魔にならないよう、昼の休憩時間や勤務終わりであろう18時〜20時といった時間にお電話しています。電話業務は1日のうち3時間程で、残り5時間は商談機会をいただくための他の業務に励んでいます。IS部がマーケティング部内にあるのでマーケティングに近い業務も多く、イベントの企画やそれに伴うライティング、メールコンテンツ作成、ナーチャリングのためのセミナー講師をするなどの時間に当てています。第1回インサイドセールス図鑑で取り上げていただいた同じ部署で働いている増田が中心で行っているコミュニティマーケティングも電話以外の業務にあたります。

私はISのことを全く知らなかったので、上司と増田の2名体制ですでにISが立ち上がった段階でチームに入れたのが良かったなと感じています。

現在のメイン業務は、プレイヤーとしての商談化を目標とした電話業務です。他にもイベント企画やメールコンテンツ作成、セミナー講師をして直に商談獲得するなど商談機会を創出する施策を考え、実行しています。

それに加えて、3〜4ヶ月前からコールマネジメントをしています。私がISチームの中で商談化数が連続でトップということもあり、これまで培った経験や知見、ノウハウをもとにメンバーのコールスキル向上や、悩みなどを聞いた上で、それに対する解決策などをフィードバックする役割を担っています。その成果もあって、セールスフォースを活用してどのように成果をだしているのかをお話しする講演に出させていただきました。また、弊社のお客様から「及川さんって本当に楽しそうに仕事をしている。社会ってこれだけ楽しいんだよということを学生のみなさんに伝えてほしい」という依頼を受けて、大学で講演もしました。こうした講演をする体験をしたおかげで、苦手な人前で話すということが少し得意になりました。

▼まだ第1回をご覧いただいていない方がいらっしゃいましたら、是非あわせてご覧ください!増田 亜里紗氏 / 株式会社日本財託【インサイドセールス図鑑】

――トップセールスになるまでに大変だったことはありますか?

最初は学ぶことが多かったので大変でした。私が入社した会社が投資の会社だったので、必要な知識量がとても多く、私よりお客さんの方が詳しいケースも何度もありました。ただ、その場で分からなくても、入社したところなので仕方ないと頭をすぐ切り替えて、その日のうちに質問と回答をノートにまとめ、知識のインプットに努めていました。加えて、お風呂の中の反響を活用して、一人二役でトークの練習をしていました。この反響は頭にスーっと入ってきたので私には最適な練習場所となりました。この努力を重ねていくうちに、実践の場でもスムーズにお客様に提案できるようになったり、商談もみるみるうちにとれるようになってきました。何よりも自信がつきましたね。成果が出始めてはじめて、業務が終わったあとも積み重ねた努力が実ったと実感しました。

――いつ頃、成果が出始めたのですか?

入社して3ヶ月目、試用期間の最終月のタイミングで成果が出始めました。私は元々負けず嫌いなため、ずっと上司と増田に対していつか2人の数字を抜きたいと思っており、2人の数値や架電数を意識していました。この目標ができたことで、私のギアがさらに加速した気がします。

成果を出すための具体的な策としては、MiiTelを何度も聞いて2人の言葉を自分なりの言葉に置き換えスクリプトを作っていました。その他にも自分から声をかけて、2人からフィードバックやロープレの時間をもらっていました。はじめは、フィードバックをしてもらうのが苦手でした。恥じらいもありましたし、自分の不甲斐なさに愕然とするからです。でも、2人の下にはその当時私しかおらず、だからこそ時間を割いてもらえているのだと、その機会の貴重さを改めて感じ、後輩が入ってくる前に、2人からいろいろ吸収しておこうと、強く思いました。

――1位をキープするために取り組んでいることを教えて下さい!

IS部で1位でいるために、3つのことを徹底しています。

まず、一番大事なのが、月初のスタートダッシュがきれるかどうかです。正直、月末には心の中で「明日からまた0件に戻るのかー」って思ったりもしますが、その時に見込み顧客に対して、メールやSNSを活用し、来月に向けた仕込みをしています。月初の平均的な商談獲得数は2件ですが、私は5~6件を目標としているので、月初でいいスタートを切れるとギアが入り、そのまま1位を死守できるのかなと思っています。

2つ目に、営業担当者からしたら、直近での成約につながらなさそうだったりするとロストしてしまうことがあるのですが、ロストされた自分の案件を素早くキャッチして追客することも大事です。私は、毎日商談化リストを見ていて、面談できずにロストされた案件はすぐ確認し、お客様のタイミングで追客できるようTODOを立てています。なぜなら、ロストされたら営業担当者の手から離れてしまい、結果、営業からの連絡が来ないからと他社に流れてしまうケースも多いんです。それを防ぐためにも、今すぐの成約につながらなそうならナーチャリングしたり、グリップするために私たちが運営している、コミュニティイベントへ誘導したりしてます。

最後に、誰よりも活動量をあげることです。1日の架電数や毎月の架電数をどのメンバーよりもこなしていれば、商談化数も自然と増えていくと思います。まずは質より量をこなし、量をこなした上で質を求めているイメージです。

――1位でいるモチベーションはどのように保っているのですか?

今まで1位をキープできてきたモチベーションとしては、単純ですが、ほめていただく機会が多かったことです。やっぱり褒められると嬉しいです。特に、ただ「おめでとう」と言われるだけでなく、上司が全社向けの数値報告のときに私の名前を挙げてくれたことで、他部署からも沢山お褒めの言葉をもらえるなどすると、すごく嬉しいですし、トップセールスでいるモチベーションになっています。

ただ、これからは、もっとサポートに回っていきたいと思っています。10月からの新期からは一旦自分の1位はストップして、メンバー全員が個々の目標を達成できるようにサポートに回っていきたいと思っています。自分が1位でい続けるよりも、私のマネジメントがあってメンバーが1位をとれたなら喜びが大きいと思うんです。次の1位のバトンをメンバーに渡したいと思っています。

――もともとISの目標は商談数だったところを、成約率に変更されたと聞きました。背景を教えてください!

IS部として今月から評価方法が商談数から成約率の質に切り替わりました。それは結果的に成約数を増やすためです。今までは自社商品に興味のある方にはすぐ商談をご案内していました。でも、興味があっても実はローンが使えないと商談中にわかることがあると、お客様、営業担当者双方にとってそれまでの時間が無駄になってしまいます。ISがしっかりヒアリングした状態でトスアップすることで、そうした無駄がなくなり、成約率も成約数もあがっていくと思っています。弊社の営業の人数が少ないこともあり、IS部でより成約見込みのあるお客様に絞ることで、1件1件より質の高い商談にしていきたいです。

評価方法が変わってから1ヶ月も経っていないので、現在はどこまでを商談にしていいのか見極めている段階です。

――ISで必要なスキルを高めるために取り組んでいることはなんですか?

ISを始めた時は、Salesforceの仕組みを学べる勉強アプリを使っていました。ISに関して本格的に情報収集するようになったのは、入社して1年程経ってからです。メインはTwitterを使っての収集で、まもなく始めて1年経つのですが、自分でも1日1ツイートしています。Twitterを始めたきっかけは、メールコンテンツを考える時のライティングが苦手だったので、上司から「抽象化能力を鍛えるためにやってみたら?」と提案してもらったためです。実際に毎日投稿していると、投稿内容を考える癖がつき、140字でまとめる抽象化能力を鍛えるのに役立っています。今までは自分がツイートして終わりだったんですが、最近はBALES(ベイルズ) インサイドセールスキャンパスのイベントに参加したり、TwitterでIS仲間と励まし合ったり、実際にZoomでお話するなど交流もしながら情報収集しています。

――おすすめのツールは何ですか。

おすすめはSalesforce×MiiTelの掛け合わせです。

もはやSalesforceは相棒だと思っていて、なくてはならない存在です。その上で、私自身が助けられメンバーにフィードバックする際にも欠かせないのがMiiTelです。他にも録音ツールはあると思いますが、一番の魅力はSalesforceとの連携です。次回に繋がった架電が月々何件なのか、検討している方がどれくらいいて、検討していない方が多いのであれば対象が悪いのかなど、Salesforceと連携して見ることができます。お客様の温度感が分かったり、お客様と自分の話す割合や話が被る回数が見られて、自分が一方的に話してしまっていることに気づけたりもします。ポジティブ用語が多いかネガティブ用語が多いかなども分析できるようになっているので、メンバーにフィードバックするときにも助かっています。

――これからの展望について教えてください!

ある日上司から言われた「及川さん、セールスイネーブルメントについて詳しくなってよ」という言葉がきっかけで、 これからはイネーブルメントに注力していきたいと思っています。それをきっかけに、セールスイネーブルメントについて調べたり、本を読んだり外部の方に話を聞いたり、セミナーを見たりし、その中で、今のチームの課題を解決するために必要だと思いました。なぜなら私たちのチームでもメンバー間で商談数の差がかなりでているからです。チーム全体としての成果が出せていても、ハイパフォーマーに頼ってしまっているという課題があり、このままだと、いつか私が産休や育休に入った時に成果があがらなくなると危機感を感じ、9月初めにハイパフォーマーに頼らない仕組みづくりをしていきたいと上司に話しました。

今まではメンバー4名に対し月に2回程度行っているコールのフィードバックが、どれだけメンバーの成果につながっているのか可視化が出来ていませんでした。ただ、今月からは、そのMiitelフィードバックを通じてメンバーにどれくらいの成果を出してほしいのかを伝え成果の設定もできたので、それをもとにだれでも成果が上げられるような仕組みをつくり、組織に貢献していきたいと思っています。イネーブルメントの多くは、第三者がハイパフォーマーを分析していることが多いと聞きました。なぜならハイパフォーマーが自らのノウハウを共有したがらないからです。私も以前はそうだったので気持ちはとても分かります。でも今は、自分の持っているノウハウやスキルをメンバーに共有することで、チームとしての結果を出すことができ、それが私の上司に対する恩返しになるのではないかと考えています。そう考えると自然に、自分のノウハウを囲い込むのではなく、早くメンバーに教えたいと思うことができたんです。また、イネーブルメントによって、メンバーの数値を向上させたいという思いはもちろんですが、私自身が結婚、産休、育休などのライフイベントに左右されず、ISというキャリアを長く続けられる事例になることも、メンバーにとって重要だと考えています。今後の目標としては、今月からの半年を目処に、インサイドセールスの仕組み化をしていきたいと考えています。

及川様、ありがとうございました!

最後に、インサイドセールス従事者と交流できる BALES インサイドセールス キャンパス をご紹介します。無料でご利用いただけますので、インサイドセールスの情報収集にご活用ください。

▼BALES インサイドセールス キャンパスの特徴は以下3つです。
 1.インサイドセールスに携わる方を中心とした会員制コミュニティ!
 2.成功/失敗事例やナレッジなど、最新情報が手に入る!
 3.会員限定のインサイドセールスのイベントを定期開催!

最後までご覧いただきありがとうございました。

弊社では、今後も【インサイドセールス図鑑】にてインサイドセールス従事者のインタビューを連載予定です。また、インサイドセールスのキャリアパスに関するコラムもございますので、ご興味がある方は是非こちらもご参考にしていただければと思います。

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