株式会社Empower X 渡部 航誠氏【インサイドセールス図鑑】

インタビュー・対談

ーこれまでのキャリアについて教えてください。

初めてインサイドセールスに携わったのは、大学4年生から始めた株式会社Full Bet Groupでの内定者インターンでした。初めの2ヶ月は別業務だったのですが、途中からインサイドセールスの立ち上げに携わらせていただけることになりました。そこから約10ヶ月間、インサイドセールス組織立ち上げに伴う業務に取り組んだ後に入社しました。

入社後10ヶ月でチームリーダーに抜擢され、メンバー5名のマネジメントを任されました。内定者インターンの実績を活かして社会人経験の中でも早い内からプレイヤーとマネージャー両方を経験できたことは、自身のキャリアの中でも大きな転換点だと感じています。0からインサイドセールスを立ち上げていた内定者時代は大変で辛い局面もあったけれど、楽しさややりがいも大きかったです。早期に多くの経験を積ませてもらったからこそ気が付くことができたのですが、全員手探りで必死に進んでいくおもしろさを感じていました。そこで、インサイドセールスという組織にとどまらず会社全体で新しいことにチャレンジできる環境でまた働きたいと考え、入社2年目の冬頃に転職を決意しました。社会人2年目での転職は、タイミングとしてかなり早いとも思いましたが、内定者の頃から働いてきたため実質3年は良い経験させてもらったし、何より行動したいという思いがありました。

転職する軸としては、「本当に何もないところ」でした。転職するにあたり、直近で資金調達をしていたり優秀な方がいたりとたくさんの企業を見ましたが、やはり魅力を感じるのは僕自身がチャレンジする余白がまだあるような、会社全体が立ち上げフェーズの企業でした。そこでご縁があって入社したのが現在の株式会社Empower Xです。入社してからは驚きの連続でした。当時はまだオフィスがなかったこともあり、セールスメンバーを自宅に呼んで営業活動をした時期もあります。人数が少なく社員同士の距離がかなり近かったので、私の自宅が地方から来てくれたインターン生の宿になったことも何回かありますよ(笑)インサイドセールスとは関係ないですが、当時の経験は非常におもしろかったです。

ーインサイドセールスを始めた当初はどう感じていましたか?

インターンで初めてインサイドセールスを始めた頃は、正直なところ社内的にも自身としてもテレアポ部隊という認識にとどまっていました。電話をひたすらかけ続ける体育会系セールスというイメージです。インサイドセールスとテレアポを混同してましたね。

また、始めた当初は辛いことも多かったです。100回電話しても99件、何なら100件断られることもざらにあり、断られ続けると無意識にネガティブになっていきます。僕自身、最初の1年弱は全く結果が出なくて、部署の中でも最下位が続いていました。その1年間は今思うとかなり苦しかったです。

ー苦しい時期から成果を出すために取り組んだことはありますか?

2つあって、1つはトップセールスから学び続けることです。当時は朝から晩まで切れ目なく働いていたのですが、なぜそうしていたかというと、トップセールスがそうやって結果を出していたからです。朝は同じタイミングに出社して、事前準備は何をしているのか隣で見て、電話中はトークを聞く、アプローチ終了後はそのトークや動き方について質問をしてにFBをもらう。とにかく徹底的に真似しました。

もうひとつ取り組んだこととして、感覚値で行動することを止めて、全て数値を元に振り返り、戦略立てを行ってからアクションに移すようにしました。インサイドセールスが追うべき重要な指標として、行動数、接触数、有効会話数、そこからの商談獲得数・率は見るべきです。その中でどこがネックになっているのかを分析して、改善行動を取ることを繰り返しました。当時は「Miitel」を活用して数値分析を行っていました。先程あげた数値もそうですが、相手との発話対比や抑揚など、ツールがないと定性でしか捉えられないトーク面も数値化できます。

この2つをやりきれるようになった頃には、しっかり成果につながっていました。成果を出すために自ら考えて行動を変え、試行錯誤を繰り返しながら実績につなげることが出来たのは、成功体験として良い変化を与えたと思ってます。

ーインサイドセールスの魅力は何だと思いますか?

自身の行動によって数値が変化することがインサイドセールスのおもしろさのひとつだと思ってます。インサイドセールスは、毎日必ず成長してるんです。商談が獲得できているかどうかでいうと、取り組み始めやどうしても成果が出ない時期があって、その期間には自身の成長が見えなくて辛いと思います。でも行動数など数値を細かく見ていくと、絶対にどこかが変わっているはずです。始めの頃より1時間あたりの行動数が増えていたり、有効会話件数が伸びていたり。それはまぎれもない成長の証です。インサイドセールスほど日々の成長を実感できる仕事はないですし、それがインサイドセールスの魅力だとメンバーにも伝えています。

また、インサイドセールスは数値から仮説を立ててアクションすることの繰り返しです。その経験があると思考力と行動力が鍛えられて、問題を解決する力が確実に身に付きます。この力は他のセールス職はもちろんですが、ビジネス全般において役立つので、今後のキャリア形成に非常に有効だと思います。

ー入社からわずか5ヶ月でCOOに就任されてますね。

Empower Xには事業責任者としてジョインしまして、入社当初から責務を果たして成果を出せたらCOOに、というキャリアパスを提示されていました。そこに至るまでは、やはりインサイドセールスとしての経験が役に立っていると思います。というのも、インサイドセールスはビジネス戦闘力を高めるのに最適な仕事だと思っていて、その理由は、PDCAを回す回数がどの職種、どのセールスよりも圧倒的に多いからです。たとえば、アウトバウンドであれば1日100〜200件とコールすることもあります。その分だけPDCAを回したりアウトプットしたりできるのはインサイドセールスの魅力に他なりません。キャリアに悩んでいる方にはぜひ、インサイドセールスを経験してほしいと思っています。

また、インサイドセールスのキャリアステップはフィールドセールスかインサイドセールスのリーダーやマネージャーの2択が一般的ですが僕は組織を作ることにずっと興味関心があったので、インサイドセールスになった当初からフィールドセールスを目指すのではなくマネジメント思考で仕事をしていました。その考え方や行動が良い影響を与えていて、メンバーの育成や組織構築などの観点を早期に身に着けられました。そのおかげで今の代表に出会い、事業を作っていきたいという思いで経験を活かしながら、現在のキャリアステップを歩むことができたと考えています。

ーインサイドセールスをやる上で意識するとよいことはなんでしょう。

業務とキャリアに関連して2つあります。業務については、サービスやターゲットの企業規模によってインサイドセールスがやるべきことは分かれていて、それぞれに適した戦略立てが重要だと理解することです。ターゲットの市場や業界、そして顧客理解を深めてそれに適したアプローチをすることを何よりも意識してほしいです。僕自身、転職前はそこまでしっかりと意識はできておらず、とりあえずやってみようで何とかしていた部分があります。しかし、インサイドセールスはテレアポとは使う筋肉が違っていて、筋肉を使いまくってアプローチの量を稼ぐだけでは足りません。質も伴ったアプローチができるように動くことでいい成果につながると思います。

キャリアについてですが、インサイドセールスの可能性は無限大なので、まずは悩まずに動き続けることを意識してほしいです。僕はインサイドセールスとしてキャリアをスタートしたことで大きく成長できたので、インサイドセールスに感謝しています。インサイドセールスのキャリアについて悩む声をよくお聞きするのですが、結果さえ出せればその先のキャリアはたくさんありますし、インサイドセールスはその選択肢が非常に広いです。まずは今置かれた場所で結果を残すことにフォーカスして、インサイドセールスにチャレンジしてみるという強い意識を持ってほしいです。

ーインサイドセールスで活用しているツールはありますか?

先程も話に出しましたが、前職で使っていた「Miitel」は数値分析においてすごく使い勝手がよかったです。トークにおける知りたい情報を計測しながら更にカスタマイズもできます。

また弊社では「Salesforce」をCRMとして利用しているのですが、これも非常に良いツールです。弊社代表がSalesforceの出身なので活用方法に長けているというのも大きいかもしれません。商談前、後でダッシュボードを作成して、商談前の顧客との接触数・率や商談獲得割合や、商談後どのフェーズまで進んでいるかなど詳細に状況分析をすることが出来ます。インサイドセールスは商談獲得がゴールではなく有効な商談になったかどうかが重要なので、そこまで分析できるのでありがたいです。「Salesforce」の運用ができるメンバーが組織内にいるとかなり活用が進みますね。

ーリフレッシュ方法は何ですか?

労働時間は結構長いですが、週末はしっかり休んでます!特に土曜の夜は意識的にリフレッシュのために時間を使っていて、友人とお酒を飲んだり、トレーニングに励んだり、サウナに行ったり、とにかくリラックスできる時間を作るようにしてます。そういった時間を大事にして、平日は切り替えて仕事に臨んでます!

社外のメンバーとのつながりもプライベートの交流の中で深まり、それが業務で役に立つ学びになってますのでこれからも大事にしたいです。「インサイドセールス図鑑」に登場しているPLAN‐Bの中澤さんや他のインサイドセールスのリーダーやマネージャーの方々と仲良くしているのですが、他社の取り組みを知ると新しい学びがあり、インサイドセールスは奥が深く、自分が思うより可能性が広がっていると感じます

ー今後の展望について教えてください。

インサイドセールス出身者のロールモデルになりたいと思っています。私がインサイドセールスを始めた頃はTHE MODELが広がり始めた段階で、世間的にはインサイドセールスとテレアポの区別がまだついていない状態でした。最近はどの企業も取り入れてますし、キャリアの選択肢としても選ばれるようになりました。ただ広まってきたが故に、今後のキャリアに悩んでいる方も増えていくと思うので、インサイドセールスは幅広いキャリアが選べるし、実績を残せればステップアップできることを体現する人間でありたいです。そのためにも今はセールス代行事業に携わってますので、クライアントやメンバーの成功を導く事業責任者として仕事に励んでいきます。

渡部様、ありがとうございました!

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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