株式会社ディスコ 押切 宏樹氏【インサイドセールス図鑑】

インタビュー・対談

これまでのキャリアについて教えてください。

2022年4月に新卒で株式会社ディスコに入社し、新卒採用サービスを扱う部署でインサイドセールスとして1年間SDRに取り組みました。2023年4月からは、自ら志願してBDRの立ち上げと検証を1人で実施しています。非常にやりがいがあり毎日楽しく働いていますし、インサイドセールスはとても価値の高い仕事だと感じています。

インサイドセールスの楽しさや価値をどんなところに感じていますか?

自身の考えに基づく部分が大きいですが、顧客視点で営業できるのがインサイドセールスの楽しさだと思ってます。インサイドセールスはサービスを提案する前に、お客様の状況を適切に把握して、課題がどこにあるかに真摯に向き合うことが求められます。営業の中でも比較的サービスに依存せず、お客様と対話できるのが自分にとって非常に魅力的です。

これまでの経験で人に感謝してもらえた時にやりがいを感じることが多く、なぜ感謝してもらえたのかを紐解いてみると、相手の視点を大切にしながら接してきたことが要因だと気が付きました。なので顧客視点を大事にできるインサイドセールスはやりがい感じながら楽しく仕事に取り組めています。

また、インサイドセールスの魅力だと感じている「顧客視点で考える」という力は営業やマーケティングだけではなく、どんな職種でも活かせると思います。特に変化の激しいVUCAの時代では、最も必要な能力だと考えています。

BDRの立ち上げを自ら希望した理由を教えてください。

自身が身につけたいスキルと会社の利益、どちらも実現できるからです。

まず自分のスキルに関してですが、インサイドセールスに取り組む中で「顧客視点で考える力」を更に伸ばしていきたいと考えました。先程お話したように、顧客視点を大事にできるインサイドセールスにやりがいを感じています。「顧客視点で考える力」を更に伸ばすにはニーズが顕在化していないリードに向き合うBDRに取り組むのが有効だと考え、BDRへ挑戦したいと思うようになりました。

ただ、自分のスキルを伸ばしたいというだけでは会社として取り組む理由になりません。しかしBDRで成果が出れば、会社の利益にも繋がるのは明白でした。今までSDRとして、インバウンドリードや休眠顧客に対してある種「待ち」の姿勢でアプローチをしてきました。そこにプラスしてBDRを実施して潜在的なニーズを持った顧客を自ら開拓できれば、短期的にも見込み顧客の増加に繋がりますし、中長期的にも新たな売上や利益を生み出すことができます。

BDRの立ち上げにあたっては所属部署の部長も協力してくださり、SDRに加えて会社としてBDRに取り組むメリットを社内に提案してくださりました。結果、新卒2年目だった自身のポテンシャルを伸ばせる機会であること、営業組織観点でのメリットもあると判断してくださり、BDRに取り組むことが決まりました。挑戦を後押ししてくれた会社には感謝しており、自分のやりたいことだけを追求するのではなく、しっかり利益を出して部署や会社自体にメリットのある取り組みにしたいと思い日々奮闘しています。

BDRの具体的な業務内容を教えてください。

接点は持てていないものの、弊社のサービスが課題解決に役立ちそうな企業様に対して、架電やメールなど様々な手法を活用してBDRを行ってます。

弊社は創業して50年になりますので、ハウスリストは一定数あります。ただ、全く接点を持っておらず企業情報のみという企業様が複数いらっしゃるので、その中から本来アプローチすべきだが、実際には出来ていなかった先を選定してリスト化し、そこに対してのアプローチを実施しています。リスト化にあたってはFORCASを活用しており、情報自体はSalesforceに一元化しています。

アプローチ自体は全て1人で実施しています。電話やメールはもちろんですがCxOレターも送付していますし、時には自ら顧客に提案を行うこともあります。

自ら提案する意図としては、サービスを導入いただいた顧客のサクセスストーリーをお伝えして納得いただき、その上でより具体的にサービスの検討へ進んでもらうためです。こちらで描いたストーリーを過不足なくお伝えするには、インサイドセールスでもオンライン面談を実施する機会をもらうことをおすすめします。想像に難くないと思いますが、BDRは「不信」からスタートすることが多いのでいきなり手段の話をしても、当たり前ですが話を聞いていただけないんですよね。ですので、手段の前段階である顧客が本来進みたい方向性だったり、課題解決ができてメリットが生まれている未来についてお伝えすることで、潜在的なニーズに気づいてもらったり、サービス検討をする意味を感じてもらったりする必要があります。インサイドセールスである自分がその段階まで顧客の温度感を引き上げられれば、その後のフィールドセールスが担当する商談もやりやすくなりますし、受注に繋がりやすくなると考えています。BDRを始めてから顧客へ踏み込んだ提案をする機会が増えたので、自身の営業の幅が広がったと感じてます。

BDRに取り組む上で意識していることは何ですか?

ニーズが顕在化していない顧客の視点に立って、「何が課題になり得るか、どう解決すべきか」を先回りして発見することです。そのために色々な情報源をチェックしてます。新聞やFORCAS上の情報はもちろん、IR情報については該当する企業のものだけではなくその競合にあたる企業のものまで確認することもあります。提案先の会社に関する情報だけではなくその会社を取り巻く状況までを把握できるように幅広く情報収集をすることで、なにが課題になりそうかを顧客視点に立って推察していきます

企業の状況については集めた情報から見えてくるものが多いですが、そこから想像する顧客の課題については、適切な仮説が立てられるようになるまで苦労したこともありました。課題は、担当者の視座によっても変わってきますよね。例えば部長以上の方であれば経営課題まで考える必要がありますし、現場の担当者の方であれば日々の業務の中にある課題をぶつけるのが最適です。相手によって投げかける課題を変えられるように、様々な視点からどのような課題があるかを徹底的に考えています

また、こちらも顧客視点に立つ、という考えに通じているのですが、仮説には主観を入れないように気をつけています。主観的な意見が入っていると、お客様の納得感にはつながりにくいです。あくまでも客観的に、相手の立場に立ってお伝えするように心がけています。顧客視点に立ったコミュニケーション力を向上させるために本を読んだりもしました。

インサイドセールスに取り組んでいて大変だと感じることはありますか。

「論理」と「感情」のバランスを保ってコミュニケーションを取る難しさは感じますね。どんなに筋の通った論理でも、やはり感情にも配慮をしないと人は動かないです。ただ、感情だけを重要視しても、進むべき方向性を間違えてしまいます。また、こればかりは顧客がどのような方かによるので模範解答はなく、一人ひとりお話する中で調整するしかありません。相手にとって納得感のある着地に持っていった上で商談につなげられるように、論理と感情のバランスに配慮して話を進めるのはとても大変だと思いますし、そこが面白いところでもあります

インサイドセールスに取り組んでいて嬉しい経験について教えてください。

先程少しお話しましたが、やはり相手に感謝されたり期待を感じられたりする時が嬉しいですね。例えば、お客様から「押切さんの話を聞いてみてよかった」「連絡してくれてありがとう」という言葉をいただいた時や、社内の方から「押切さんに任せたい」と言ってもらえた時です。

そういったありがたい言葉をいただけたケースでは何を評価してもらえたのか、という点を明確にすることを心がけています。単に褒められて嬉しかった、というだけではもったいないので、評価いただいたポイントには再現性があるのか?という観点で振り返ります。自分の実力以上の評価やラッキー要素が含まれている場合はお言葉をありがたく頂戴し、再現性が生まれるように努力するのみです!相手から評価されることに一喜一憂しない、というのは今後も意識していきます。

成果を出せるようになったきっかけはありますか。

SDRを担当していた頃、通常であればマーケティングチームが行うセミナーの企画運営に挑戦をしたことで、インサイドセールス目線だけではなくマーケティング目線での顧客の姿が見えて、アプローチする際の顧客への解像度が上がったなと思います。

弊社で実施する際の理想的なセミナーは「マーケットのトレンド」「採用担当者の時期的な課題」のバランスを押さえたものなのですが、これを考えるのに非常に苦労しました。弊社は企業の新卒採用サービスを扱うビジネスモデルなので、新卒採用担当者が今の時期に何に関心を持っていらっしゃるのかを推察しなければいけません。ここで頭を絞ったことにより、BDRで必要な顧客の課題を発見する力がかなり養われました。セミナー終了後には自らコールをしたのでお客様の感想や考えを直接聞くことができ、セミナーの評価がどうだったのか、自身が立てた仮説とズレがないかどうかを振り返ることができたのも良い経験でした。仮説と検証を繰り返すことは非常に重要だと思います。

インサイドセールス業務で活用しているものがあればぜひ教えてください。

業務上使っているツールは多々あるのですが、正直自分はかなりのアナログ派です(笑)なのでA4バインダーを愛用しています!何かを考える時には、紙に書く方が頭が整理される感覚があって好きなんです。BDRを始めてからなおさら実感してます。集めた情報から仮説を構築していくために、パソコンを閉じてしまい紙とペンだけ持って考える時もあります。

日々のリフレッシュ方法はありますか。

よく星座を見てます!小さい頃田舎で満天の星空を見たときの感動が忘れられず、以降すごく関心があります。あとは観葉植物も好きで、家にたくさん置いています。緑を見ることで得られるリラックス効果を感じますし、植物の成長を実感した時に達成感もありますね。最近はおしゃれな植木鉢にも興味があります!こうして話してみると、自然が好きなんでしょうか(笑)

あと、ディスコへ入社するきっかけをくださった先輩からいただいた香水をすごく大事にしています。ここぞという時やそれこそリフレッシュしたい時に使用しており、仕事の励みになります。

これからの展望について教えてください。

まずはBDRとして「強い」インサイドセールスになりたいです。強い、というのは様々な解釈がありますが、自分としては3つのポイントを抑えたいと考えてます。1つ目は、繰り返しお話している徹底した顧客視点での考え方、2つ目はサービスに依存せずともセールスができるスキル、3つ目は顧客から依頼がくるほどの信頼感。営業は決して単なる物売りではないので、顧客視点に基づいた提案ができれば自ずと信頼関係が築けるようになります。それを積み重ねていくことで、顧客から「こんな課題を解決したい」とご連絡をいただけるようなインサイドセールスを目指したいです。

また、中期で目指したいのはBDRの組織化です。現状は1人で試行錯誤しており、立ち上げ&検証のフェーズだと思っています。これから成果が出てくればメンバーを増やす経営判断ができると思いますし、より目線を上げた施策にも取り組めるようになるはずです。最終的には営業の属人化を無くし、メンバーの入れ替えが起こっても常に一定以上の成果を出せる、再現性が担保された組織の構築を目指していきます。長期では、インサイドセールスに限らず「押切さんに仕事を頼みたい!」と人から信頼され、第一想起を勝ち取れる人間になりたいですね。

押切様、ありがとうございました!

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最後までご覧いただきありがとうございました。

弊社では、今後も【インサイドセールス図鑑】にてインサイドセールスに携わる方々のインタビューを連載予定です。

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