アジェンダのないMTG「リーンコーヒー」のやり方と効果

課題・用語解説

こんにちは。BALESカンパニー営業統括本部フィールドセールスの東風平(こちひら)です。
今回は「組織を強くするチームビルディング」というテーマの第一弾として、ぜひ試していただきたいミーティング(以下、MTG)手法の「リーンコーヒー(Lean Coffee)」をご紹介します。

インサイドセールスを導入し、営業を分業化している組織では、インサイドセールスやフィールドセールスといったチーム間の目線を揃えることが重要です。互いへの理解が不足していると、フィールドセールスからは「商談数が足りない」といった不満が発生し、インサイドセールスからは「商談を創出しているのに、受注に繋がっていない」という不信感が生まれてしまうこともあり、モチベーションの低下にも繋がります。

BALESのフィールドセールスメンバーはそのような課題を解決するため、今月はじめに「リーンコーヒー」を実施しました。チーム間の目線を合わせ、互いの成果を最大化するための良い議論ができたので、その一部始終をご紹介したいと思います!

1. リーンコーヒー実施の経緯

まず始めに、今回BALESのフィールドセールスチームがリーンコーヒーを実施したきっかけをお話します。BALESカンパニーは、一時、コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、商談数や受注数が大幅に下がってしまいました。詳細は別の記事にて、営業部長・竹内が解説しておりますが、様々な施策で商談数は回復してきたものの、受注いただくことが難しい状況でした。

そこで、「BALESならではの強みは何なのか。トップセールスの提案スキルを展開することはできないのか?」ということについて改めて考え、アウトプットしあう機会を設けたいというアイディアから、今回のリーンコーヒーが実施されることになりました。

実施にあたり、エンジニアチームにてファシリテーションの豊富な経験があるBALES CLOUDプロダクトマネージャー・郷田に協力をお願いしました。おかげで、より効率的にディスカッションを終えることができました。(Special Thanks 郷田さん!)

2. リーンコーヒーとは

今回、郷田から「リーンコーヒーをしてみよう」と提案があったものの、リーンコーヒーを知っていたのは発案者の郷田のみでした。

それもそのはず。リーンコーヒーとはプロダクトの開発の際によく用いられるMTG方法で、「アジェンダのないMTG」を指します。MTGというと、事前に参加者の1人がアジェンダを用意して、それに沿って話を進めていくことが多いかと思いますが、リーンコーヒーはMTGの始めに参加者全員で話し合いたい内容(アジェンダ)を決めたうえで進めていきます。

当日は、次の流れで実施しました。

  1. 講義
  2. 今回のMTGで話し合いたいことを書き出す
  3. 各自、話し合いたい理由の発表+投票
  4. 3で決まった話し合いたい内容の票数の多いものからディスカッション開始(7分)
  5. ディスカッションを継続するか否か投票(継続の場合は2分追加)
  6. 4,5の繰り返し×3回
  7. 3で決まったアジェンダを全て消化後、各自MTGの振り返り(KPT法)
  8. 振り返りの発表とT(Try, 今後やりたいこと)を全体確認

アジェンダを全員で話し合って決めることで、「今」「優先的に」取り組むべき議題についてディスカッションができました。

3. リーンコーヒーを始める前に

リーンコーヒーを始める前に10分ほどの講義がありました。リーンコーヒーの進め方と、ディスカッションを進める上での「心理的安全性」についての共有でした。

心理的安全性は言葉の通り、「自分の考えを自由に発言でき、安心して行動できる環境」を指します。この考え方はアメリカのGoogle社より、「チームを効果的に機能させるために心理的安全性を高める必要がある」と発表されてから注目を集めています。(参照:「効果的なチームとは何か」を知るより)

今回はさらに、チームメンバーが有意義にディスカッションできるよう「HRTの原則」を意識しました。HRTの原則とは、Team Geek という書籍の中で紹介されている謙虚(Humility)、尊敬(Respect)、信頼(Trust)の3つの価値を大切にすることで、チームや顧客との関係を良くしようという考えです。(参照:「Team Geek」2013年より)

チームディスカッションを行う上で、全員が生産性高く、気持ちよく議題に集中できるよう発言しやすい環境づくりを意識するきっかけになりました。

4. ディスカッション内容

今回はメンバーからあがった話し合いたい議題の中でも
①「サービスの強み確認」
②「提案内容のブラッシュアップ」
③「チーム間の連携」
の3点に絞ってディスカッションすることになりました。

①サービスの強みの確認

ここでは主に、競合企業との比較をすることで他社に負けない強みを探すことにしました。
またその強みから、BALESでターゲットにすべき顧客の属性を明確にし、ターゲット顧客に合わせたサービス資料やサービスページの見せ方等のマーケティング施策についても話し合いました。

②提案内容のブラッシュアップ

この議題では、フィールドセールスの知識を属人化させず、オープンに共有しあうことで、顧客の必要としている情報提供ができるようにディスカッションを行いました。

各フィールドセールスメンバーが使っている提案資料がバラバラになってしまっているので、インサイドセールスのヒアリングした顧客課題をもとにしたパターン別提案資料の作成や、情報共有用MTGを設けるなど、多くの改善ポイントが見つかりました。

③チーム間の連携

この議題は恐らく、営業を分業している組織の多くが苦労している部分だと思います。課題に上がったのは、事例の共有不足です。

BALESにて、インサイドセールスのアウトソーシング業務を担当しているインサイドセールス・マネージャーの拠点が北海道ということもあり、本社で営業をしているメンバーとは、コミュニケーションの機会がどうしても少なくなってしまいます。インサイドセールス・マネージャー同士では定期的な勉強会が開かれているものの、BALESカンパニー全体での事例共有の機会は多くありませんでした。そこで直接話せない分、社内用情報共有ツールのKibelaを使って、テンプレートに沿った事例共有記事を作成しあい、案件内容や成果が出た施策等の共有を進めることになりました。

①~③それぞれの議題で課題点や改善点、今後の展望などを深く話し合うことができました。どの議題も話し合う内容が濃く、時間が不足しがちでしたが、ファシリテーターのおかげで予定通りに終了することができました。

5. リーンコーヒー実施のメリット

リーンコーヒー特有の「自分たちでアジェンダを決める」作業のおかげで、事前準備がいらず、予備知識や役職に関係なく全員が発言できる環境を整えやすいことが一番のメリットだと感じました。各メンバーが積極的に会話に参加していたのがとても印象的でした。他にも以下のようなメリットがあります。

  • 課題の優先度についてチーム内で目線を揃えることができる
  • 各メンバーの発言が多いので、内容に偏りが出ない
  • MTGが長くならない

話し合いたい議題が多い場合には、優先順位をつけ、短い制限時間内で話し合う意識を持つことで、効率的に話し合うことができます。

6.リーンコーヒー実施後の効果

リーンコーヒー終了後に、KPT法を用いてMTGの振り返りや次のアクションの確認を行いました。特にT(Try)次のアクションとしてすでに動き出している施策を共有します。

1週間の業務振り返りMTG(KPT法)

今回のリーンコーヒーの中で特に多く課題にあがった属人化を防ぐため、毎週の業務の振り返りと次のアクションの確認をチームで行うことになりました。

毎週火曜に30分間で、K(Keep)で先週の業務で良かったこと、P(Problem)で反省点、T(Try)次のアクションを確認しています。

これまでインサイドセールスとフィールドセールスの振り返りは日次と週次で行っていたものの、全体の成果や数字の振り返りになってしまい、個人の考えていることをアウトプットしたり、課題について議論する機会がありませんでした。MTGが始まってまだ2週間ですが、自分の課題をメンバー全員と共有することでお互いに指摘し合う環境ができてきました。

「振り返りMTG実施後の効果」について、参加メンバーからは以下のような声がありました!

  • メンバー各自が感じている課題をアウトプットし、共有できるので、同じ方向を見て業務ができるようになった
  • 次週の同じ場でTryの不出来を指摘されないように課題に立ち向かう意識が変わった
  • 日頃のふわっとした考えを言語化することにより、思考の整理ができるようになってきた

最後に、リモート出社が続きメンバー間の情報共有の機会が減ってきていると思いますが、組織全体の営業力強化の施策として「リーンコーヒー」はとてもおすすめです。

今後も弊社セールスチームで実践している営業力強化の取り組みをご紹介していきたいと思いますのでお楽しみに!
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今後もインサイドセールスに関する有益な情報をお届けしてまいりますので、参考にしていただけますと幸いです!

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