大友 拓海氏 / 株式会社hacomono【インサイドセールス図鑑】

インタビュー・対談

株式会社hacomonoにお勤めの大友さんにお話を伺いました。大友さんは、新卒で証券会社へ入社した後、分業体制の働き方を求め、SaaS企業へ転職されました。現在は、作成したカスタマージャーニーマップをもとに、マーケティングと連携してコンテンツ企画・運営・セミナー登壇などに取り組んでいます。

――ご自身のこれまでのキャリアについて教えてください。

新卒で野村證券株式会社に入社し、リテール営業として1日100件ほど飛び込み訪問を実施したり、テレアポを行いながら、金融商品のご提案をしていました。1年半経過した頃に、営業としてもっと幅広く活躍したいと感じるようになり、元々IT領域に興味があったことや、効率的な営業を取り入れていくべきだという思いがあったので、THE MODEL型の分業体制を取り入れているような企業への転職を検討し始めました。その中で、MAツールを開発している企業へ入社したのがインサイドセールス(以下IS)へのキャリアのスタートです。ただ、スタートアップ企業として立ち上がりの時期だったので分業体制が完璧ではなく、ISとフィールドセールスを兼任し、在籍期間の後半にかけてはマーケティングがメインになっていました。そこから段々と、マーケとISを極めたい、どうせなら自分が最も興味があって没頭できる領域に挑戦したいという思いが強くなり、前職のつながりでお声がけいただいこともあって現在の株式会社hacomonoにISとして転職しました。

当時hacomonoのISチームはSDRで新規リード対応をしつつ、掘り起こしも強化していきたいと考えていました。そこで、マーケ経験があったりTwitterのフォロワー数が多くSNSが得意だった私が、施策の企画、検討を実施する所謂コンテンツマーケのような役割も担うISとして入社した背景があります。SDR、BDRに本格的に取り組んでいくなら、架電だけではなくコンテンツなども上手く活用していきたいという会社のフェーズに合致していたのだと思います。

――ISに対する最初の印象はいかがでしたか?

ISとして活動するようになった当初は、新卒の頃のテレアポと比べてサボっているような感覚があり、なぜか罪悪感がありました。今考えるとそんな風に感じる必要は全くなく、テレアポで培った「量にコミットする」という感覚が抜けていなかったんだなと思います。行動量を稼ぐことが大事な局面もありますが、顧客体験をよいものしていくためにはそれだけじゃ足りないですよね。ISを続ける中で、「御社みたいな営業をやりたい」と言っていただけることがあり、そんな経験から顧客のために動くのがISなんだなと気が付くことができました。

――hacomonoでの業務について教えてください。

当初はSDRの中でも、ハウスリストに流入してきた休眠掘り起こし部隊でコールを行っていました。今はメルマガのシナリオを考えて実行したり、セミナーの企画、運営、登壇を行いそこで獲得したリードへアプローチをしたり、ISとしてコンテンツ企画をしています。業務の比重でいうと企画の部分が圧倒的に多く、ISとしてのコールは行わず、コンテンツマーケターとして活動するようになりました。顧客のニーズに合わせたアプローチ方法を考えるための階段設計や、ポジショニングマップを作成したり、様々な角度から試行錯誤しています。

――今までのご経験の中で大変だったことはありますか?

セミナーの企画、運営、登壇に関しては基本的に一人で実行していたので、成果を出すまでには一苦労ありました。特にマーケとの連携部分ですね。マーケは元々リード獲得を目的としたセミナーを開催してくれていたのですが、ISとしてナーチャリング目的のセミナーを実施したいということから説明を始め、議論を重ねました。

リード自体はマーケ部のおかげでかなり順調に獲得できていたので、ハウスリードも増加していたのですが、そのリードにアプローチするためのフックとなるコンテンツが不足している状況だったんです。そこで、顧客はこんな課題を抱えていてそこに訴求するためのコンテンツを作っていく必要がある、特に態度変容を促すためのセミナーは効果的だ、ということを伝えるためにカスタマージャーニーマップを作成しました。スモールスタートして実績を出し、また改善して…というのを繰り返しました。何においてもそうなんですが、実績や結果がないとどのポジションも動けないと思うんですよね。なのでしっかり根拠となる成果を提示して、ISマーケ双方が納得いく形で進められるように自身で意識をしていました。

――ISに取り組む上で意識していることはありますか?

「配慮はしても遠慮はするな」は意識しています!入社当時、自分としてはチャレンジしたいが周りからするとどうだろう…と悩んでいたタイミングで上司に言われ、確かにその通りだし単純に格好良いなと感じたので真似するようになりました。

それを素直に実行できたことは私にとってすごく良かったと感じています。分業化している組織って、各々の部署で最適化を図っているはずですよね。でも部署を横断して協力する必要ももちろんあるので、全体最適も必要になってきます。そうなると、他部署からはこうしてほしい、という要望が出てきてぶつかってしまうこともあると思うんです。そんな時はお互いに最大限配慮した上で、違うところは違う、など遠慮せずに意見を伝えるようにしています。

先程お話した、ISでナーチャリングセミナーをやる意義を示すためにスモールスタートをして実績を出した上で、マーケともすり合わせていくというのも、ただマーケに意見を押し付ける形にならないよう配慮のために実績値を提示して、その上で遠慮なくセミナー成功に向けて進められるよう動いていたので、「配慮はしても遠慮はするな」という言葉を意識した結果だと思います。

――ISとして成果がでるようになったきっかけはありますか?

マーケもISも「誰に何をどう伝えるか」が基本中の基本だと思うんですが、その中でも特に「誰に」の部分を徹底的に調べるようにしたことは、成果に繋がったと思います。そもそもハウスリストにいる「誰を」掘り起こす必要があるのか、その「誰を」に対して、課題は何なのかをISメンバーで細かく分析しました。ハウスリストで誰を掘り起こすか考えていくために、Salesforceでリードをチェックしたりはすごくしましたね。どんなリードが商談に繋がっているのか、受注になっているのかを洗いざらい確認していって、狙いたい層を明確にしていきました。自社のサービスが業界特化のSaaSなので、業界の中でもどの分野が今勢いがあるかなども商談、受注傾向から洗い出しています。そういった情報と実際ハウスリストに多い層を鑑みて都度ターゲットを決めてアプローチすると、根拠があるのでISとしても訴求がしやすいです。

――働く上で参考にしている人物などはいますか?

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させた森岡毅さんです!マーケティングなどビジネス面でももちろん勉強になるのですが、自身のキャリアを考える上でも参考にしています。ストレートに格好良いなと思っており、理由としては、闇雲に行動するのではなく論理的に自身で導いた行動によって自分を設計してステップアップしていこうという考え方など、森岡さんの教えや価値観に共感しました。会社で圧倒的に実績を出したあと、実際にご自身で会社を立ち上げ経営されている点もキャリアとして尊敬しています。森岡さんは昔から何でも出来た天才な訳ではなく、ご自身の特性をどう活かすかを考え抜いて成果を出してこられた方なので、私もそうありたいと思っています。

――ISにおすすめのツール・デバイスはありますか?

骨伝導のヘッドセット「OPENCOMM」はISの必需品です!Bluetoothなのでハンズフリーになりますし、ノイズキャンセリング機能が付いていて自分の声と周囲の音を切り分けてシャットアウトしてくれるんです。電話に雑音が入ってしまうのはISとして致命的なので、ノイズキャンセリングは必須だと思います。あと、耳が痛くならないのも良い点ですね。セミナーに登壇する方は、Webカメラなども取り入れるといいと思います。おすすめはLogicoolの C922n PRO HDストリーム ウェブカメラです。

――ISはモチベーション管理が重要だと思いますが、リフレッシュ方法はありますか?

筋トレです。老若男女問わずお勧めです!筋トレをすると大きく分けて3つ分泌されるものがあって、まずひとつは成長ホルモンです。これが出ると夜よく眠れます。2つ目がセロトニンです。別名幸せホルモンと呼ばれ、リフレッシュできます。3つ目がテストステロンで、活力が生まれます。ぜひみなさん貯筋をしましょう!

そもそもリフレッシュで一番重要なのは、「頭をからっぽにする」ことです。人間の頭って数千年前から変わってないんですよ。狩りをしている時代ならキャパが足りましたが、Webが発達した今は情報で溢れていて、脳はパンクしている状態なんです。なので絶対にリセットする行為が必要で、それが筋トレだったり、あるいはサウナだったり散歩だったり好きなものを選べばいいと思います。

――これからの展望について教えてください!

ISマーケターのような新しい職種を作っていきたいです。ISとして実際に顧客に対峙しながら、マーケとしてコンテンツを作っていくポジションをイメージしてます。セミナーの企画、登壇をしながら参加者に架電してアプローチするのもやりたいことに近いです。セミナーに関してはイベントマーケティングの領域ですでに取り組めているので、まずはそこから全社横断で価値提供できる施策をやっていこうと考えています。

情報の価値って濃度鮮度の二軸があって、濃度は顧客接点の多いISが最も担保できる部分、鮮度は戦略を持って新しく獲得していくという観点でマーケが担保できる部分だと思ってます。ですので新しい情報を仕入れて鮮度をあげつつ、顧客と対峙して情報濃度を高められるISマーケターを目指していきたいです。

現状社内にそういったポジションがあるわけではないので、私自身がチャレンジしていくことでロールモデルになっていけたらと思っています!

将来的には、会社員をやりながら会社経営をしたいです!

大友様、ありがとうございました!

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最後までご覧いただきありがとうございました。

弊社では、今後も【インサイドセールス図鑑】にてインサイドセールス従事者のインタビューを連載予定です。

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