インサイドセールスとは?
見込み顧客へ非対面で営業活動を行う内勤型の営業のこと
インサイドセールスとは、見込み顧客に対してメールや電話、Web会議ツールなどを活用しながら非対面で営業活動を行う内勤型の営業体制です。
マーケティングとフィールドセールスの間で見込み顧客の精査・育成を行うことで、見込み顧客のニーズに合ったタイミングでの商談機会を創出します。
注目される背景は2つ
海外では分業体制の成功モデルとして一般的だから
インサイドセールスとは、1990年代にアメリカで誕生した営業手法です。アメリカでは2017年時点ですでに営業職の約半数がインサイドセールス職に就いており*1、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスによる分業体制を取っているケースが多いです。またTHE MODELと呼ばれるSalesforce社が提唱する営業プロセスの広まりにより、日本でも分業型の営業体制を取る企業が増加し、その結果インサイドセールスが普及するようになりました。
*1出典:Forbes「New Sales Trend Research: US Sales Reps Lagging Behind European Counterparts」(2017年9月26日記事参照)
オンライン時代に適した働き方だから
働き方改革、DX化、コロナ禍で、リモートワークの導入が大きく進みました。一方で、リモートワーク下でいかに売上などの成果を出していくかという点は各企業が課題に感じており、試行錯誤している最中です。そんな中、電話、メールという非対面のみ、つまりリモートワーク下であっても営業活動を最大限に行えるインサイドセールスは、商談獲得に大きく寄与できるため、現在導入を進めている企業が増えています。
インサイドセールスの種類・違い
インサイドセールスの種類
SDR|Sales Development Representative
SDRとは、自社LPからの資料ダウンロードや問い合わせ、自社セミナーへの登録など、インバウンドで入ってきたリードへの対応や、リサイクルと呼ばれるような休眠・失注顧客への掘り起こしを行うインサイドセールス組織です。
目的の1つに、新規リードの状況確認や育成があります。先方の自社サービスへの興味関心を確かめて、導入を検討できるタイミングで商談化するのが、SDRの重要な役割です。
BDR|Business Development Representative
BDRとは、接点のないターゲット企業へのアプローチを行い、新規リードや商談獲得を目的とするインサイドセールス組織です。
全く接点のない企業へのアプローチですので、必然的にコールの着電率や商談率は低くなります。その点を踏まえて数値目標であるKPIを立てていくのが重要です。また、架電と合わせて手紙やDMなどの手法を活用することが成果UPのポイントです。
オンラインセールス
商談化したリードに対してWebや電話で商談を行うインサイドセールス組織です。オンラインセールスに対して、訪問して対面で商談を行う営業をフィールドセールスと呼びます。顧客属性やリードソースなどに応じて、オンライン・オフラインを使い分けるのが有効です。
テレアポとの違い
インサイドセールスとテレアポは、電話を使った内勤型営業という点は同じですが、その目的や役割が全く異なります。テレアポは短期間でのアポイント取得が目的なのに対し、インサイドセールスは営業活動全体の効率化が目的です。
そのため架電量が必然的に求められるテレアポと違って、インサイドセールスは自社に合わせた様々な施策を打つ必要があり、架電量は必ずしも求められるものではありません。
フィールドセールスとの違い
フィールドセールスの違いは業務範囲です。インサイドセールスが非対面での電話・メールでの顧客ナーチャリングをするのに対し、フィールドセールスは顧客からの契約獲得に向けたクロージングの役割を主に対面で担います。
一方で、昨今の働き方改革の波やコロナ禍を受けて、営業活動自体を完全にオンラインに切り替えた企業も多いです。その場合は、フィールドセールスがオンラインセールスとして非対面でクロージングまでの顧客対応を実施するケースもあります。企業の営業形態によって、インサイドセールスとフィールドセールスの棲み分けが異なります。
インサイドセールスを導入するメリット・デメリット
メリット
分業制・オンライン化による営業の効率化
1番のメリットは、営業組織を分業することで効率化が進み、生産性が向上が期待できる点です。従来の営業プロセスだと、獲得したリードの対応、アポ取り、商談対応、クロージング、顧客フォローまで全てのプロセスをフィールドセールスが担います。結果、どのプロセスにも注力が出来ず、成果が上がらないという事態が起こりがちでした。
インサイドセールスを導入すると、下記のような効果が得られます。
- 業務ごとに担当者がつくことで専門的かつ効率的に取り組むことができる
- フィールドセールスの負担が減る
- 業務ごとにやりたい・向いているメンバーをアサインできる
これらの効果により、生産性の向上が見込めます。
中長期的な顧客育成による受注率の向上
インサイドセールスが中長期的にナーチャリングをすることで、適切なタイミングで商談を獲得できます。結果として顧客にとっても良い提案になるケースが増加し、受注率の向上に繋がります。
顧客折衝数の増加による営業スキルの向上
インサイドセールスは、フィールドセールスに比べると顧客と接点をもつ回数が多いです。特に営業初心者などで回数をこなしてスキルUPしたいフェーズのメンバーには、インサイドセールスとして営業ノウハウを身につけることをお勧めします。
デメリット
一定のノウハウが必要
インサイドセールスを実行するに当たり、SDR、BDRについて一定の知識が必要になります。社内にインサイドセールスの経験者がいない場合はマネジメント層採用によるノウハウの確保が必要になります。ノウハウのないままインサイドセールスを実施するのは、成果が出づらいです。
インサイドセールスが適さない業種・サービスもある
電話・メールなど非対面での営業手法のため、対面での営業が必須の業界や電話のみで商材ニーズを引き出す難易度が高いサービスとは相性が悪いです。
インサイドセールス導入を成功させるポイント5選
データの整理・可視化をする
まずは現在の状況を把握し、営業に必要なデータを整理・可視化しましょう。過去の営業実績から、ターゲットとすべきはどこの業種なのか、ハウスリストが活用できそうかなどをデータから可視化します。
体制を整備する
データの整理ができたら、自社に適した形のインサイドセールス体制を整備しましょう。具体的にはSDR/BDR/オンラインセールスのどれなのか、メンバーは何人アサインするかを検討します。
KPIを設定する
KPIも併せて決めていきましょう。受注数の増加が目的であれば、立ち上げの当初のKPIは商談数に設定。組織がうまく回ってきたらその先のKPIとして受注数・率を目指すように移行するなど、フェーズに合わせてKPIは柔軟に変えていく必要があります。
オペレーションを整備する
体制、KPIが決まったら、全体のオペレーション整備を行いましょう。オペレーションが属人化してしまうと、継続して成果を出すことが難しくなってしまうためです。立ち上げ当初から、誰がアサインされても成果を出せるオペレーション設計を考えておくべきです。
SDRであれば、インバウンドリードが流入時に通知を飛ばす場所、アプローチ手順などを設計します。
チーム文化を醸造する
上記4つのポイントを押さえたら、チーム文化の醸造を検討しましょう。中長期的に成果を出し続けるチームを作るには、メンバーに共通した思考や目的が欠かせません。定期的なMTGの実施やフィードバックなどでお互いの連携を強め、属人化しないチームづくりを心がけましょう。
インサイドセールス導入の成功事例
実際にインサイドセールス導入に成功した事例を3つご紹介します。
企業A:インサイドセールス専任チームの発足で成約率が2倍に上昇
課題:テレアポ組織はあるが、数値と質のコントロールがしづらい
インサイドセールス組織は兼任者で構成されていたため、体系化された仕組みが特にありませんでした。そのためインサイドセールスではなくテレアポ部隊として機能していました。また外部のセールスパートナーの力を借りていたことも相まって、営業数値と質のコントロールが難しい現状に陥っていました。
行ったこと:IS組織を発足しオペレーション整備
ワークフローの作成、トークスクリプトの作成
インサイドセールスとして専門の知識を身につけるために、外部のイネーブルメント研修を実施。具体的には、ワークフローとトークスクリプトの作成研修です。ワークフローについて、属人化していた「リードランク」の設計などが進み、営業活動の最適化に大きく寄与しました。また、誰が営業しても一定以上の成果が出せる、属人化しないトークスクリプトを作成したことにより、営業スキルの平準化が図れています。
成果:成約率が2倍に上昇
結果として、セールス活動を行う中で顧客の本質的な課題が見えるようになり、フィールドセールスが商談する際に提案の精度を上げることが可能に。最終的には成約率が20%まで向上しました。
最後にBALES Enablementの事例ページURLを載せる
企業B:インサイドセールスの導入で電話営業の生産性が137%UP
課題:既存の営業手法では休眠顧客までアプローチできない
既存の訪問型営業だけでは、新規顧客開拓、過去にお取引のある休眠顧客へのアプローチに限界を感じていました。
行ったこと:インサイドセールスを発足しデータ活用のため顧客管理ツールを導入
そこで新規開拓を推進していく目的としてインサイドセールスを発足。同時に、顧客管理ツールの導入を行いました。ツールの導入を同時に行ったことで顧客情報の入力や次のアクションのアラート機能を用いることでアプローチが簡単に設定でき、インサイドセールス自体がスムーズに立ち上がりました。
成果:アプローチ効率が137%改善
結果として顧客へのアプローチ効率が137%改善しました。情報が蓄積されることによってリサイクル(休眠)へのアプローチがスムーズに行えるようになり、導入から約半年間で休眠顧客から70商談、17受注を創出できました。
最後にBALES CLOUDの事例ページURLを載せる
企業C:インサイドセールスの導入で顧客接続率10%UP
課題:リソースが足りず見込み顧客の開拓ができていない
セールス部隊はありましたがリソースが潤沢ではなかったので、マーケティングチームが見込み顧客を獲得しても全てをフォローできる状態ではありませんでした。そこで、外部のリソース活用も含めインサイドセールスの導入を検討し始めました。
行ったこと:インサイドセールス代行を導入
セールスチームの人員をマーケティングチームのインサイドセールス業務にアサインすることが難しいという理由で、インサイドセールスのリソースに関しては外注することを決めました。
成果:顧客接続率が10%UPし商談も増加
結果としては、安定して担当者接続後10%以上は商談につながるといった状況になりました。目的としていたマーケティングチームで獲得した見込み顧客のフォローはもちろんできましたし、商談が増えるのでセールスチームからも喜ばれました。
まとめ
今回は、インサイドセールスについて細かく解説いたしました。インサイドセールスを理解したい方やこれからインサイドセールスに挑戦しようと考えている方の参考になれば幸いです。
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