営業職とは
会社のサービスや商品を顧客に販売し、会社の利益を上げる仕事です。
一口に営業職といってもターゲットや対応範囲によって仕事内容は大きく異なります。
ここでは法人営業を対象として、ぞれぞれの違いについて説明します。
ターゲットによる違い
営業のターゲットによる違いで分けると、主に以下の3つに分類されます。
新規開拓営業
新規開拓営業とは、これまで取引のない企業に対して新規アプローチを行う営業活動です。
会社や商品/サービスを認知させることから始まり、信頼関係を構築しながら興味を引き出して契約に繋げることが役割となっています。
電話やメールでアポイントを獲得してから商談を行う流れが一般的ですが、中には飛び込み営業を行っている企業もあります。
反響営業
反響営業とは、広告や自社メディアへの問い合わせに対応する形で行う営業活動です。
基本的に自社商品/サービスに興味関心を持つ顧客が対象となるため、新規開拓営業と比較すると成果が出やすい傾向にあります。
広告出稿にかかる費用は大きいため、一次対応時に顧客の興味度合いや抱える課題を正確に捉えることが非常に重要です。
ルート営業
ルート営業とは、すでに取引のある既存顧客に対して行う営業活動です。
ご契約いただいている商品/サービスに不具合がないかを確認をしたり、オプションや新商品の提案を行い、客単価の向上に繋げます。
対応範囲・役割の違い
対応範囲・役割の違いに着目すると、従来型営業と分業型営業に分かれます。
従来型営業
従来型営業とは、1人の営業担当者がターゲットリストの作成・アポイント獲得・商談・契約後のフォローまでを一気通貫で行う営業スタイルのことです。
以前の日本ではこの従来型営業のスタイルが主流でしたが、顧客が情報収集をネットで行ったり、サブスクリプション型サービスの広がりなどにより、近年は分業型営業を採用する企業が増加しています。
分業型営業
分業型営業とは、営業活動をプロセスごとに役割分担をして行う営業スタイルのことです。米国セールスフォース・ドットコム社から広まった営業スタイルで、「THE MODEL型」営業とも呼ばれています。
それぞれが特定の業務に集中して取り組むことができるため、各プロセスの生産性が向上します。また、主にオンラインでの営業活動となるため、従来型営業で主流だった訪問営業と比較すると移動時間が無くなり、業務の効率化にも繋がります。
一般的な分業体制は以下の通りです。
マーケティング | リード(見込み顧客)獲得 |
インサイドセールス | リード(見込み顧客)の育成・アポイント獲得 |
フィールドセールス | 商談対応、契約締結 |
カスタマーサクセス | 契約後のアフターフォロー、アップセルの創出 |
営業に向いている人の性格・特徴
営業職は様々な種類がありますが、必要な性格・特徴は基本的に同じです。営業に向いている人の性格・特徴のポイントとしては、以下3つが挙げられます。
コミュニケーション・ヒアリング力が高い
営業では、自社サービス/商品の魅力を伝える「コミュニケーション力」と、顧客の課題やニーズを引き出す「ヒアリング力」が必要不可欠です。
特に新規開拓営業を行う際は、相手に警戒心を与えずに、心地よく会話を続けられる印象の良さと対話スキルが求められます。
ヒアリングでは、なぜそのような課題を抱えているのか、顧客自身が気付いていない潜在ニーズはないかなど、顧客の発言に対して不足情報を補う質問を行い、自社商品/サービスの訴求ポイントを正確に捉えることが重要です。
PDCAを短期かつ継続的に回せる
PDCAとは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)→再びPlan(計画)・・・」のサイクルを繰り返すこと。
営業にとって最大の目的は受注ですが、受注するには日々の業務の中でPDCAを短期かつ継続的に回し続けることが非常に重要なポイントです。
行動数やアポイント獲得率、案件化率など、細かいポイントに絞って改善策を練り、実行→検証と繰り返すことが営業パフォーマンスの向上に繋がります。
課題解決能力が高く、柔軟性がある
課題発見・解決力が高いことも、営業に向いている特徴の一つです。
営業活動では、見込み顧客の潜在的課題を発見することはもちろんですが、それを顧客に認識させ、自社商品/サービスでどのように解決できるのかを簡潔に伝える必要があります。その際、相手の理解度に合わせて言葉を置き換えたり、相手の業務内容を例にして説明するなどの柔軟性も大切です。
営業に向いていない人の性格・特徴
数字に追われるのが苦手でストレス耐性が低い
営業は年次・月次・日次と細かく目標設定を行い、その目標に対しての結果数値で評価がされます。
そのため、数字に追われるプレッシャーが苦手であったり、周りと比べられるのが嫌な人は、営業の仕事にストレスを感じやすいかもしれません。
初対面の人と緊張して上手く話せない
新規開拓営業や反響型営業では、基本的に初対面の見込み顧客にに営業活動を行います。
初対面の人に緊張してしまいがちな人や、自社/サービスの魅力を伝えようとするあまり、一方的に話してしまいがちな人は営業に向いていません。
仕事に対する姿勢が受け身で向上心がない
営業では、自ら考えて積極的に行動することが重要です。
いつも誰かに指示されてから動く人と、自主的に行動できる人とでは活動量及び営業結果に大きく差が生じます。
電話やメールなどでのアプローチはもちろん、トークスクリプトのブラッシュアップ、商談に向けた仮説立てなど、成約に繋げるための自主的行動が必要不可欠となります。
営業に必要なスキルの伸ばし方
ここでは、営業に必要なスキル3点とそのスキルを伸ばすためのポイントを紹介します。
コミュニケーション・ヒアリング力
1.架電や商談を録音/録画し、客観的に振り返る
架電や商談の録音/録画をもとに、受注になった要因や失注となった要因を振り返りましょう。
また、営業成績の良い上司や同僚の録音/録画を確認したり、他者に自身の録音/録画を確認してもらい、客観的にフィードバックをもらうこともスキルアップに繋がります。
2.トークスクリプトを複数パターン作成し、仮説と検証を繰り返す
トークスクリプトを複数パターン作成してどの属性にはどのような訴求が刺さるのか、検証しましょう。
検証結果から仮説立て→再び検証を繰り返し、勝ちパターンを型化させると営業成績を安定できます。
タスク管理力
1.業務終了後にタスクの洗い出し・明日以降のスケジュール立てを行うことを徹底する
業務終了後、もしくは業務開始前にタスクの洗い出し・スケジュール立てを行うことで、タスクの消化漏れを防ぎ、営業活動の効率化に繋がります。
カレンダーやタスク管理ツールなどを活用し、自身にあったスタイルを確立しましょう。
2.ツールを有効活用し、日常業務の処理スピードを上げる
日常的に発生するルーティン業務は、各種ツールを活用して一つ一つの処理スピードを上げましょう。
▼例
- メール送付:テンプレートを複数パターン作成しておく
- 日程調整 :カレンダーアプリと連携可能なツールを活用して、候補日程をURL共有する
- 架電 :接続しやすい時間帯を分析して、効率的に行う
目標管理力
1.KPIを細かく設定し、日時で振り返りと改善を行う
営業の最大目標である受注を獲得するには、細かくKPIを設定する必要があります。
KPI設定や改善方法のポイントについては、以下の記事で解説していますので、よろしければ参考にしてください。
2.正確なデータを蓄積する
営業活動の進捗や顧客情報などを正確なデータを蓄積し、分析を繰り返すことで目標管理力を向上させることができます。
各種データの分析結果からボトルネックや注力すべきターゲット像を特定し、目標達成のために改善を重ねることが重要です。
営業に向いていないと感じる人におすすめの対処法
苦手要素が少ない営業職を選択する
営業職の中にも、ターゲットや対応範囲によってさまざまな種類が存在します。
「営業に挑戦してみたいけど自信がない」・「営業として働いているが仕事内容が合わない」と感じている人は、それぞれの種類の仕事内容を理解してより自分に合ったスタイルの営業職を選択しましょう。
▼例
悩み/思考 | おすすめの営業スタイル |
初対面相手への営業だ緊張してしまう | 既存顧客を対応するルート営業 |
飛び込み営業やテレアポは苦手 | 問い合わせ対応を行う反響営業 |
常に業務量に追われ疲弊している | 各プロセスで役割分担し、効率的に業務をこなす分業型営業 |
チームで協力するよりも個人プレーが好き | ターゲット選定~契約後フォローまでを一気通貫で行う従来型営業 |
営業が得意な人と関わりを持ち、ナレッジ(知識)を吸収する
数多くの企業や個人が営業に関するナレッジを公開しています。
営業職に初めて挑戦する際や、現在とは仕事内容が異なる営業職に挑戦する際は、ナレッジを多く収集し色々な施策を試しながら、自社/自分に合った営業スタイルを見つけていきましょう。営業職が集まるオンラインコミュニティを活用するのも一つの手です。
【参考コミュニティ】
◇特にインサイドセールスは未経験からスタートして活躍している人が多いです。
気軽にコミュニケーションを取り合い、スキルの向上に繋げましょう。
他の職種に転職する
自分には営業が向いていないと感じる方は、他の職種への転職を検討してみるもの良いでしょう。
特に営業事務や人事は営業職から転向して活躍している人が多い傾向があります。
自分の得意・不得意を分析して、自分に合う職種が他にないか調べてみましょう。
まとめ
今回は、営業に向いている人・不向きな人の性格/特徴や、必要なスキルについて解説しました。これから営業職に挑戦しようと考えている方や、営業職としてなかなか成果が出ず悩んでいる方などの参考になれば幸いです。
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