MAとは?メリット・デメリットやツールの種類・選び方・活用方法を徹底解説

課題・用語解説

MAとは

マーケティング活動を自動化する仕組みのことで、顧客の行動や属性に応じて、最適なタイミングで最適なメッセージを送れます。これにより、顧客の興味やニーズを引き出し、購買に導くことができます。主にBtoB(企業間取引)やBtoC(企業と個人の取引)の両方で利用されています。しかし、それぞれの業種や市場によって、MAの目的や方法は異なります。

MAが必要な背景

インターネットの普及

インターネットの普及により、顧客は自分で情報を収集し、購入判断を下すようになりました。対応するためにはMAが必要で、顧客の検索や閲覧などの行動データを収集し、分析し、個別に対応できるようになります。

マーケティングの複雑化

マーケティングでは、ウェブサイトやSNS、メールやチャットなど、さまざまなチャネルや手法を使って顧客とコミュニケーションを取る必要があります。これらのチャネルや手法を効果的に統合し、管理し、最適化するためには、MAが欠かせません。

競争の激化

市場は日々変化し、競争は激化しています。顧客の満足度やロイヤリティを高めるためには、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされたコンテンツやサービスを提供する必要があります。MAを使えば、顧客のライフサイクルに沿ったタッチポイントを設定し、自動的に実行できます。

MAのメリット・デメリット

メリット

効果的にリード獲得や育成ができる

ウェブサイトやSNSなどからリード(見込み客)を獲得し、メールやチャットなどでリードナーチャリング(見込み客育成)を行えます。これらのプロセスは自動化されるため、人手や時間を節約することができます。

また、リードのスコアリング(見込み度評価)やランキング(優先度順位付け)も行えるため、営業への引き渡しもスムーズになります。

効果測定がしやすくなる

各チャネルやコンテンツのパフォーマンスやROI(投資対効果)を測定することができます。これにより、どの施策が効果的か、どこに改善点があるかを把握しやすくなります。

また、A/Bテストやマルチバリアントテストなどの実験も行えるので、最適なコンバージョン率(成約率)を目指せます。

顧客ロイヤリティが向上する

顧客のライフサイクルに応じたコミュニケーションを行うことができます。例えば、購入後に感謝のメールや誕生日に特別なオファー、満足度や離反度のアンケートを送れます。

これらを送付することで顧客との関係を強化し、リピートやクロスセル(関連商品の販売)、アップセル(高額商品の販売)などの機会を増やせます。

デメリット

作業コストがかかる

ツールの選定や導入、設定や運用などにコストがかかります。また、MAは単なるツールではなく、戦略やプロセス、組織も変える必要があります。これらの変革には、経営層や関係部署の理解や協力が必要です。

効果が出るまでに時間がかかる

長期的な取り組みであり、効果が出るまでには時間がかかります。特にBtoBの場合は、購買サイクルが長いため、リード獲得から成約までに数ヶ月から数年かかることもあります。その間には市場や競合や顧客のニーズなどが変化する可能性もあり、常にモニタリングや分析や改善を繰り返す必要があります。

MAツールの主な機能 | 見極めるポイントも紹介

自社にあったMAツールを見極めるポイント

ターゲット市場

BtoB向けのMAツールは、主に企業間取引で使われるもので、個人情報よりも企業情報を重視します。また、購買サイクルが長く、複数の意思決定者が関わることも多いため、リードマネジメントやCRM連携などの機能が重要です。

一方、BtoC向けは、主に個人消費者向けのもので、個人情報や行動履歴などを詳細に分析し、セグメンテーションやパーソナライゼーションなどの機能が重要です。自社のターゲット市場に合わせて、最適なMAツールを選ぶ必要があります。

主要機能

一般的には、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードマネジメント、セグメンテーション、パーソナライゼーション、キャンペーン管理、アクセス解析と7つの機能に分類されます。自社の目的や課題に合わせて、必要な機能を備えたMAツールを選ぶ必要があります。

付加価値

付加価値とは、主要機能以外にも提供される価値のことで、CRM連携やアクセス解析、AI活用、サポート体制があります。これらはMAツールの性能や効果を高めるだけでなく、利用者の満足度や信頼度も高められます。自社の予算やニーズに合わせて、付加価値の高いMAツールを選びましょう。

BtoB向けツール機能

リードジェネレーション

ウェブサイトやSNSなどから見込み客を獲得することです。ランディングページやフォーム、CTA(コール・トゥ・アクション)などを作成し、訪問者に連絡先や興味・ニーズなどの情報を入力させ、リードを生成します。また、SEO(検索エンジン最適化)やSEM(検索エンジンマーケティング)などを使ってウェブサイトへのトラフィックを増やすこともできます。

リードナーチャリング

メールやチャットなどで見込み客を育成することです。見込み客の行動や属性に応じて、自動的に最適なメッセージを送れます。例えば、ダウンロードした資料に関するフォローアップメールや、ウェブセミナーへの招待メールなどがあり、見込み客の興味や関係性を高めることができます。

リードマネジメント

見込み客のスコアリングやランキングなどを行うことです。行動履歴や属性情報などから見込み度や優先度を数値化し、ランク付けできます。ウェブサイトへの訪問回数や滞在時間、ダウンロードした資料の種類や数などが評価基準になり、営業への引き渡しタイミングや方法を決めることができます。

CRM連携

顧客関係管理(Customer Relationship Management)システムと連携することです。CRMシステムは、顧客の情報や履歴などを管理するシステムです。データをやり取りすることで、見込み客から顧客までの一貫した管理や分析が可能になり、営業やマーケティングの連携や最適化ができます。

BtoC向けツール機能

セグメンテーション

顧客や見込み客を分類することです。顧客や見込み客の行動や属性などに基づいて、自動的にグループに分別でき、ターゲットに合わせたマーケティングが可能になります。

パーソナライゼーション

個人に合わせたカスタマイズをすることです。顧客や見込み客のセグメントや嗜好などに応じて、ウェブサイトやメールなどのコンテンツやデザインを変えられます。顧客満足度やコンバージョン率を向上できます。

キャンペーン管理

マーケティング活動を管理することです。メールやSNSなどのチャネルを統合的に管理できます。また、キャンペーンの効果測定や改善も可能で、マーケティングのROI(投資対効果)を高められます。

アクセス解析

ウェブサイトやメールなどのアクセス状況を分析することです。顧客や見込み客の行動や反応などを詳細に追跡できます。また、コンバージョンパス(購入までの流れ)や離脱ポイント(離れる場所)なども分かり、ウェブサイトやメールなどの最適化ができます。

MAツールの選び方

自社の目的や課題にあっているか

導入する目的として多いのは、顧客獲得や育成、コンバージョン率向上、営業支援など、また課題としてはリード数や質の不足、リード育成や管理の困難さ、チャネル間の連携不足など様々です。自社の目的や課題に応じて、必要な機能や性能を比較しましょう。

価格や性能、サポート体制

安いものから高いものまでありますが、価格だけで判断しないようにしましょう。価格と性能は比例するわけではないし、安いからと言ってコストパフォーマンスが高いとも限りません。

また、サポート体制も重要です。実際に利用した人の口コミや評判を参考に、導入後のサポート充実度やトラブルや問題が発生した際に迅速に対応してくれるかを判断し、選ぶようにしましょう。

実績や評判

MAツールは自社だけで使うものではありません。他社との連携や競合分析も必要なので、実績や評判も重要です。海外製のMAツールが人気ですが、国産のMAツールも存在感を示しています。自社の業界や規模に合わせて、実績や評判の高いツールを選ぶようにしましょう。

MAツールの活用方法

目標設定と計画立案

何を達成したいか明確にしましょう。目標はSMARTの法則(Specific:具体的, Measurable:数字になっている, Achievable:達成可能な, Relevant:関連性, Time-bound:期限が明確)を意識して設定することがおすすめで、目標達成のために重要な5因子です。「20◯◯年度中にリード数を前年比50%増やす」という目標はSMARTの法則ですが、「リード数を増やす」という目標はSMARTの法則ではありません。

次に、目標を達成するための計画を立てましょう。ターゲット、コンテンツ、チャネル、タイミング、KPIの要素を具体的に決めて、設定しましょう。

具体例としては、保有リード数やお問い合わせ獲得数、中間コンバージョン数、メールコンバージョン数などです。

実行と評価

計画通りにMAツールを使用し、進捗確認を行いましょう。自動的にマーケティング活動を行ってくれますが、それだけで放置してはいけません。定期的にKPIを確認して、効果が出ているか評価する必要があります。また、顧客や見込み客の反応やフィードバックも収集しましょう。

改善と最適化

実行と評価での結果に基づいて、計画や目標設定を改善しましょう。PDCAサイクル(Plan, Do, Check, Act)を回すことで、計画や目標設定が最適化されます。コンテンツやチャネルやタイミングなどを変えてみたり、セグメントやスコアなどを調整したりしてみましょう。改善したら、また実行と評価を繰り返します。

MAとCRMやSFAとの違い

MAの類似ツールとして挙げられることも多いCRMやSFAは、MAとは異なる特徴を持っています。MAを正しく活用するために、これらの違いも理解しておくといいでしょう。

CRMとはカスタマーリレーションシップマネジメントの略で、顧客関係を管理する仕組みのことです。

SFAはセールスフォースオートメーションの略で、営業活動を管理する仕組みです。それぞれ違いを表で比較してみましょう。

MACRMSFA
対象見込み客顧客営業
目的顧客獲得・育成顧客満足ロイヤルティ向上営業効率成約率向上
機能顧客情報の収集・蓄積見込み顧客の実名化顧客への施策の自動化営業マーケティング施策の分析CRM連携顧客情報履歴案件管理MA連携営業情報スケジュール見込み度管理CRM連携

表からわかるように、MAとCRMとSFAはそれぞれ異なる対象や目的や機能を持っていますが、それぞれが独立しているわけではありません。MAとCRMとSFAは連携して、見込み客から顧客までの一貫した管理や分析ができ、マーケティングや営業の効果を最大化することができます。

まとめ

この記事では、MAとは何か、メリット・デメリットやツールの種類・選び方・活用方法を徹底解説しました。MAはマーケティング活動を自動化する仕組みで、様々な種類や機能があります。自社に合ったMAツールを選び、正しく活用しましょう。

この記事が営業活動のお役に立てば幸いです。

菊池彩華

2015年4月、飲食店の業務委託を支援する会社に入社。新店舗の企画から販売促進の計画、また既存店舗の経営サポートなどを行い、新店舗立上の責任者としてさまざまな業態のオープンに携わる。
2022年10月、スマートキャンプへ入社後、BALES CLOUDカンパニーのマーケティング部で展示会やウェビナーなどのオフライン施策を担当する。

課題・用語解説
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