CRMと類似ツールとの違いとは?概念や使い分けをわかりやすく解説

課題・用語解説

CRMとは

Customer Relationship Managementの略で、顧客との関係を管理することです。顧客の情報やニーズを把握し、それに応じて最適なサービスや商品を提供をし、顧客満足度や売上を高めることを目的としています。営業やマーケティングなどの業務に役立つツールやシステムとしても使われています。

CRMのメリット・デメリット

メリット

営業活動の効率化や品質向上

顧客の情報や履歴を一元的に管理できるので、営業担当者は顧客に対するアプローチやフォローアップをスムーズに行えます。また、営業の成果や進捗を可視化でき、現状把握が簡単にできるので、営業の効果や問題点を特定するのに役立ちます。

ロイヤルティやリピート率向上

顧客のニーズや嗜好を詳細に分析できるので、顧客に合わせたパーソナライズされたコミュニケーションやオファーを行えます。また、顧客の満足度や感情を測定することで、顧客の声に応えた改善や改善策を行えます。

市場やニーズの変化に対応できる

顧客の情報や行動を大量に収集できるので、セグメントやライフサイクルを分析できます。また、CRMには、AIやビッグデータなどの最新の技術が導入されていることが多く、顧客の傾向や予測を高精度に行えます。

デメリット

導入や運用にコストや時間がかかる

システムやツールを選定し、導入するまでの期間をはじめ、顧客情報やデータ入力、更新、管理などの設定をする必要があり、コストや時間がかかります。機能が多く、操作が複雑なことが多いので、社員の研修や教育も必要になります。

データセキュリティやプライバシーの確保が重要

顧客の個人情報や機密情報を扱うことが多いので、データセキュリティやプライバシーの確保が重要です。CRMのシステムやツールは、クラウド型やオンプレミス型などの種類がありますが、どのタイプでも、データの漏洩や改ざんなどのリスクがあります。また、顧客の情報やデータを収集する際には、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)などの法律や規制に従う必要があります。

データの品質や整合性に注意が必要

顧客の情報やデータを分析し、顧客に対する最適なアクションを決定します。しかし、顧客の情報やデータが不正確や不完全だと、分析の結果や判断が誤ってしまう可能性があります。また、他のシステムやツールと連携することが多いので、データの整合性や一貫性にも注意が必要です。

CRMに類似した概念とツール

MA(マーケティングオートメーション)

Marketing Automationの略で、マーケティングの一部や全体を自動化することです。顧客の行動や属性に応じて、メールやSNSなどのチャネルを使って、自動的にコンテンツや情報を配信することで、顧客の興味や関心を高めることを目的としています。マーケティングの効率化や効果測定に役立つツールやシステムとしても使われています。

SFA(営業支援)

Sales Force Automationの略で、営業の一部や全体を自動化することです。見込み客や営業案件の管理、見積もりや契約の作成などの営業の基本的な業務を自動化することで、営業の時間やコストを削減することを目的としています。営業の生産性やパフォーマンス向上に役立つツールやシステムとしても使われています。

CXM(顧客体験管理)

Customer Experience Managementの略で、顧客の体験を管理することです。顧客がブランドや企業と接触するすべてのタッチポイントで、顧客の感情や満足度を測定し、改善することで、顧客のロイヤルティやアドボカシーを高めることを目的としています。顧客の声を聞くことやフィードバックを活用するなどのツールやシステムとしても使われています。

CRMとMA、SFA、CXMの違いと関係性

ツール目的機能CRMとの関係
MAリードの興味や関心を高めるメールやSNSなどのチャネルを使った
コンテンツ・情報の配信・リードスコアリング・リードナーチャリング
CRMの一部として使われることが多い。
CRMで管理された顧客の情報や行動に基づいて、
自動的にマーケティングを行い、リードを顧客に変える。
SFA営業の時間やコストを削減する見込み客の管理・営業案件の管理・見積もりや契約の作成CRMの一部として使われることが多い。
CRMで管理された顧客の情報や履歴に基づいて、
自動的に営業の業務を行い、営業の生産性やパフォーマンスを向上させる。
CXM顧客のロイヤリティやアドボカシーを高める顧客の感情や満足度の測定・改善策の提案・フィードバックの活用CRMの延長として使われることが多い。
CRMで管理された顧客の情報やニーズに基づいて、
顧客の体験を最適化し、顧客の満足度やロイヤルティを高める。

CRMの機能

顧客情報管理

顧客の名前や住所、電話番号、メールアドレスなどの基本情報や、購入履歴や問い合わせ履歴などの詳細情報を一元的に管理する機能です。属性や嗜好、ニーズを把握しやすくなります。また、アプローチやフォローアップをスムーズに行えます。

配信機能

メールやSNSなどのチャネルを使って、顧客にコンテンツや情報を配信する機能です。顧客の興味や関心を高めたり、コミュニケーションを強化したりできます。顧客の行動や属性に応じて、配信するタイミングや内容を最適化することが重要です。

問い合わせ管理

顧客からの問い合わせやクレームを受け付け、対応する機能です。不満や要望を解決したり、顧客の声を活用したりできます。問い合わせの種類や緊急度に応じて、対応する担当者や方法を決めることが必要です。

データ分析機能

顧客の情報や行動を分析し、顧客の傾向や予測を行う機能です。セグメントやライフサイクルを把握したり、顧客に合わせた最適なサービスや商品を提案できます。データの品質や整合性に注意することが必要です。

CRMの機能を選ぶためのポイント

目的や課題を明確にする

顧客の獲得や育成を目的とする場合は、MAや配信機能が必要になり、顧客の満足度やロイヤルティを高めることを目的とする場合は、CXMや問い合わせ管理が必要です。自社の目的や課題に応じて、必要な機能を絞り込むようにしましょう。

規模や予算に合わせる

小規模な企業や低予算の場合は、基本的な機能だけを備えたシンプルなCRMを選び、大規模な企業や高予算の場合は、高度な機能やカスタマイズ性の高いCRMを選ぶようにしましょう。

業種や業態に合わせる

業態がBtoB向けビジネスの場合は、見込み客や営業案件の管理に特化したSFAやデータ分析機能が必要になります。一方、BtoC向けビジネスの場合は、顧客の感情や満足度の測定に特化したCXMや問い合わせ管理が必要になるでしょう。

まとめ

今回は、CRMについて、類似した概念やツールとの違いや使い分けをわかりやすく解説しました。CRMは、営業やマーケティングなどの業務に欠かせないツールやシステムです。

ぜひ、この記事を参考にCRMを活用してみてください。

この記事が営業活動のお役に立てば幸いです。

飯降弘之

BALES BPOカンパニー 営業統括本部 マーケティング部
2017年4月に新卒で医療機器メーカーに入社。3年間病院営業に従事したのち、2年間法人営業を経験。2022年7月にスマートキャンプへ入社。BALESカンパニーでマーケティングを担当し、広告運用やセミナー関連を担当。12月よりBALESのブランディングも兼務。

課題・用語解説
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