新規開拓型のインサイドセールス部隊を意味するBDR(Business Development Representative)。その業務内容から、モチベーションを保ち続けるのが難しい…というお声を聞くことがあります。そこで、弊社のインサイドセールス代行事業BALESにて、大型BDR案件のマネジメント経験があるインサイドセールスマネージャーの和田にモチベーション管理について話を聞いてみました。BDRについてはこちらをご参考ください。
――そもそもBDRって、なぜモチベーション管理が難しいのでしょうか?
BDRは、全く関わりのない企業への架電を行います。今までやり取りがあり関係性が築けている既存の顧客や、先方から問い合わせがあり流入してきたリードとは違い、自らが入り口となり企業との接点を切り開いていかなければなりません。そこで「怖い・きつい・辛い」というマインドに陥ってしまい、モチベーションが保てなくなることが多いです。
またBDRに限らずインサイドセールスとしてのモチベーション管理の難しさでいうと、自分の成果が見えづらいという点も挙げられます。自ら受注までもっていく訳ではないので、「自社の利益になる案件を獲得したんだ」という実感が得られにくいです。その結果、アポイントを取る作業、さらに言えばただ電話する作業になってしまうことがあります。加えて成果が出ない日が続くと、インサイドセールスとしての介在価値に疑問が生まれ、モチベーションの低下に繋がります。
――高いモチベーションを保つために、どのようなマネジメントをしていますか?
2つのことを意識しています。
まず1つは、「1日の数値に一喜一憂する必要はない」としっかり理解してもらうことです。重要なのは今日商談をつくれたかどうかではなく、全体の目標を達成できるかどうかです。マネジメントする側であれば普段から頭に置いていますが、商談機会の獲得を目標としているインサイドセールスからすると忘れがちな視点だと思います。なので、「今日商談創出ができなかったことは問題ではない」、「成果が出ない理由を考えて改善し、全体の目標を達成することが大事」だとメンバーに伝えています。このような考え方をしてもらうことで、当日の結果にモチベーションを左右されづらくなります。
もう1つは、インサイドセールスをする背景・目的・目標をきちんと説明し、その目標に対しての経過・結果を逐一報告することです。私がマネージャーをしているBALESカンパニーでは、依頼を受けたサービスのインサイドセールス代行を行っているため、クライアントごとにチームを作っています。なので協力いただけるのであればクライアントの方からもチームへお言葉を頂くようにしており、トスアップしたアポイントから何件受注に繋がっているかなどの情報も共有いただいています。
説明、報告を行う目的としては下記です。
・クライアントのために頑張ろうと思える環境を作る
・外部の目線を意識することで責任感UP
・自分が創出したアポイントがどうなっているのか知ることで、成果を実感してもらう
BALESカンパニーではなく一般化して考えると、「自社のために頑張ろう」、「インサイドセールスとして活躍することで成長できるんだ」と感じてもらうために、上司からインサイドセールスメンバーに対して事業の説明・目的・目標をしっかり伝えることが大事だと思います。またインサイドセールスが取得したアポイントに対してフィールドセールスなどからフィードバックを行うことも重要です。結果どうなったのかを共有することでアポイントの先の受注まで見据えることができるようになり、インサイドセールスの介在価値を感じられるようになります。
――なぜこの2つを意識しているのですか?
マネジメントする上での自分のモチベーションに関係しています。私がマネジメントをしていて嬉しい・やりがいがあると感じることが2つあり、それをメンバーにも落とし込むように意識しています。
1つはメンバーの成長を中長期的に感じられたときです。インサイドセールスを始めた当初は慣れない架電に四苦八苦していたメンバーが半年後にはトッププレイヤーになっている姿を見ると、やってきて良かったと感じ、それがモチベーションになります。
もう1つは、業務の中でクライアントからお褒めの言葉などさりげないお声がけをしていただいたときです。BALESの案件では、日々メンバーと改善を重ね、クライアントと密に連絡を取りながらインサイドセールスとしての成果を出していくのですが、「頑張っているね」「助かってます」など優しいお言葉をいただけると、更に貢献しなければ!と奮起できます。
和田自身も社内チャットにてメンバーへの声掛けを日常的に実施。
私のモチベーションとなっているこの2つを、BDRをやっているインサイドセールスメンバーにも感じてもらえるようにマネジメントをしています。ポジティブになれる瞬間がいくつもあれば、BDR業務も高いモチベーションを持って取り組むことができると思います。