インサイドセールスマネージャーが語る、インサイドセールスメンバー25名をマネジメントするコツ

インタビュー・対談

まだまだ新しい働き方であるインサイドセールス。「マネジメントのノウハウがなく、どのように改善していけばよいのかわからない」という課題はないでしょうか?そこで、弊社のインサイドセールス代行事業BALESにて、インサイドセールス25名のマネジメント経験があるインサイドセールスマネージャーの加藤にそのコツを聞いてみました。

――最大25名のインサイドセールスをマネジメントしていたときに一番大変だったことを教えてください。

今まで行ってきたマネジメントが通用しなくなったので大変でした。メンバーが少人数の時はリアルタイムでモニタリングを行い即座にフィードバックをしていましたが、20名を超えるとそのような時間はとれなくなりました。

一人ひとりに細かなアドバイスすることが叶わず、コミュニケーションが減ったことでメンバーとの距離が離れてしまったと感じたこともあります。私がリソースを割くべきことを取捨選択し、必ずやらなければいけないことだけを優先して、「自分のやりたいこと」は切り捨てる必要もありました。

そんな状況を解決するために、マネージャーだけで仕事を抱え込むのではなく、メンバーを信頼して、権限や業務を譲渡するようにしました。そのためにも、メンバーに「自分で考えるクセをつけてもらうこと」は必要になってきます。

――「自分で考えるクセをつけてもらうこと」について、詳しく教えてください。

「どうしたら数値が改善されるのか、どこに躓いているのか、課題は何なのか」、これらについてまずはメンバー自身で現状を言語化してもらい、出してもらった答えに対してアドバイスをするようにしています。

あまり答えが出てこない人に対しては、少しずつヒントを出していきます。例えば、活動量の不足を解決したいときに、メンバーが「何を改善すればいいかわからない」と言ったとします。その場合、「では事前準備の5分を3分にできないか?そのためにどうすればいい?」とコミュニケーションをとり、細分化したヒントを投げかけます。そうすると考えるべき部分が絞り込まれるため、答えやすくなっていきます。

自分自身で考えるクセをつけてもらえれば、1対1で関われる時間が少なくても、大人数のマネジメントを実現できます。ただ一つ気をつけたい点は、自分で考えて答えを出すコミュニケーションが続くことが辛いと感じてしまう人もいるという点です。この配慮が足りなかったせいで反発が起きてしまった経験もあります。

そのような時にはコミュニケーションの頻度に気を配ったうえで、「チームのため、自分のためになるから考えてもらっている」という背景をしっかり伝えて理解してもらうようにしています。

――チームのパフォーマンスを向上するために意識していることはなんですか?

インサイドセールス間でナレッジ共有ができる環境を作りを意識しています。業務に使用するCRM(顧客関係管理)ツールの効率的な使用方法、好事例や失敗事例、顧客に響いたトークなどをミーティングや社内チャットツール上で共有し、メンバー同士で細かな気付きをナレッジとして蓄積してもらいます。

質問や共有したい情報は、スプレッドシートで管理することで、場所を選ばずにアクセスができ、誰でも自由に書き込めるようにしています。営業トークに関するナレッジは、トークスクリプトにすぐさま反映して共有します。

このようにすることで、チームのために自発的にナレッジを発信する習慣がつき、チーム全体の成果が向上します。またインサイドセールス同士でコミュニケーションを取る機会を増やすことで、モチベーションの維持にもつながります。

意見を出すのが得意なメンバーばかりではないので、マネージャーから適時意見を出してもらえるように声かけを行います。そして、発言をしてくれた方にはしっかり反応をするように心がけています。チャットツールなら返信やスタンプでレスポンスをし、ミーティングなら発言に対して口頭でフィードバックをするなどです。

社内チャットにて情報共有を行う様子と、ピアボーナスツールを利用して日頃からメンバーへ感謝を伝える様子

――先ほどモチベーションの維持についてお話がありましたが、メンバーのモチベーションを上げるために意識していることはありますか?

プロジェクト立ち上げ時のチームキックオフをしっかり実施することです。これからプロジェクトを動かしていくために重要なポイントを最初にきちんと決めて共有し、全体の軸がぶれた時には一度基本に立ち返るようにしています。

インサイドセールスは営業プロセスを分業した一部を担っているため、全体が見通せなくなると自分のとっている行動が正しいのかわからなくなりやすいように思います。こうなるとメンバーのモチベーションは下がり、当たり前ですが成果も出ません。

そうならないために、立ち上げ時に方向性をしっかり定め、定期的にすり合わせを行うことで、どこに向かって行動していくのかを確認できるようにしています。

――行動量の数値や成果を改善するために行っていることはありますか?

まずは歩留まりを見て、どこで躓いているのかを確認します。ゴールをアポイント獲得に置いた時、コール数、担当者接続率、接続後のトーク内容など、各プロセスのどこに問題があるかを把握します。そのうえでメンバーに問題を提起し、自分でより良い方法を考えてもらいます。

――最後に、インサイドセールスマネージャーとして大事にしていることを教えてください。

一つは、繰り返しになりますが、「自分で考えるクセをつけてもらうこと」です。

そしてもう一つ、「インサイドセールス活動がわくわくするような仕組みを作ること」を大事にしています。これは主にプロジェクト立ち上げ時のキックオフで設定するようにします。

例えば新サービスのリリース拡販プロジェクトを立ち上げるときには、
「こんな事業に携われるのはすごい!」
「お客様との最初の接点になれる!楽しみだ!」
「お客様との出会いをいくつ作れるか想像するとわくわくする!」
このようなマインドセットを持ってもらえるように働きかけます。業務に対してポジティブになれる点を沢山提示できれば、チーム全体の雰囲気も良くなりますし、個人個人に高いモチベーションも維持してもらいやすくなります。

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