効果的にリードを獲得するための方法 | 獲得施策やPDCAの回し方も紹介

課題・用語解説

リード獲得とは

潜在的な顧客(リード)を見つけ出し、自社の商品やサービスに興味を持たせることです。 リード獲得は営業活動の第一歩であり、効果的にリードを獲得することが売上アップにつながります。

リード獲得の方法は大きく分けてオフラインとオンラインの2種類があります。オフラインでは展示会やセミナーなどのイベント参加や紹介、口コミなどの既存顧客活用が主な手法です。オンラインではWebサイトやランディングページなどのコンテンツ作成やSNSやブログなどのソーシャルメディア活用、Web広告やメールマーケティングが主な手法です。

オフラインとオンラインではリード獲得の方法が異なりますが、共通して重要なことはターゲット層を明確にすることです。ターゲット層を明確にすることで、より効果的なリード獲得施策を立案・実行できます。

オフライン・オンラインでのリード獲得の手法

オフラインでのリード獲得

手法メリットデメリット
イベント参加(展示会・セミナー)見込み顧客と直接対話でき、興味や理解を深められるコストがかかる
紹介や口コミ新しい見込み顧客の紹介や評判を広めてもらえる時間がかかる

実際に顔を合わせてコミュニケーションを取ることが特徴です。信頼感や親近感を高められますが、その反面、コストや時間がかかったり、対象者が限られるといったデメリットがあります。オフラインでのリード獲得の主な手法は以下の2つです。

展示会やセミナーなどのイベント参加

自社の商品やサービスを直接的にアピールできます。また、イベントに来場した人は自社の商品やサービスに関心が高い可能性が高いため、質の高いリードを獲得できます。

展示会やセミナーなどのイベント参加を行う際の注意点は、参加する前に自社の目的やターゲット層を明確にしておくこと、またイベントに参加した際に自社の商品やサービスをわかりやすく説明するための準備が大切です。イベントに参加した後には、リードに対して迅速かつ丁寧なフォローアップも忘れずにしましょう。

紹介や口コミなどの既存顧客活用

自社製品やサービスを利用している顧客に紹介や口コミなどをしてもらうことです。既存顧客を活用することで、信頼性や説得力の高いリードを獲得できます。また、既存顧客に感謝や報酬などを与えることで、ロイヤルティや満足度を高められます。

オンラインでのリード獲得

手法メリットデメリット
コンテンツ作成(Webサイトやランディングページ)商品やサービスの価値を伝え、キーワード検索や質問・疑問を解消できる時間がかかる、定期的なメンテナンスが必要
ソーシャルメディア活用(SNSやブログ)魅力や情報を伝えられる、感想や評価を聞ける競合と比較される、悪評やクレームの拡散、直接商談ができない
Web広告キーワード検索される可能性を高める、興味やニーズを測れるコストがかかる、競合や規則が厳しい
メールマーケティング最新情報を伝える、理解度や満足度を高め、購買意欲や継続利用してもらえるインセンティブが必要、反応や効果が測りにくい

インターネットを利用してコミュニケーションを取ることが特徴です。 コストや時間を節約して対象者を広げることができますが、デメリットとして、信頼感や親近感の構築や競合との差別化をすることが難しいです。

オンラインでのリード獲得の主な手法は以下の4つです。

Webサイトやランディングページなどのコンテンツ作成

自社商品やサービスに関する情報をWeb上に公開することです。コンテンツ作成には、自社商品やサービスの特徴やメリット、解決できる課題や事例、お客様の声やFAQなどがあります。

コンテンツ作成の目的は、リードに自社商品やサービスに興味を持ってもらい、問い合わせや資料請求などのアクションを促すことです。

コンテンツ作成を行う際の注意点として、コンテンツはターゲット層に合わせてわかりやすく簡潔に書くことやSEO(検索エンジン最適化)の観点からキーワードや見出し、文量などを工夫することが大事です。また、リードにアクションを促すためにCTAの設置も必要です。

SNSやブログなどのソーシャルメディア活用

自社の商品やサービスに関する情報をSNSやブログなどのプラットフォームに投稿することです。ソーシャルメディア活用には、自社商品やサービス紹介、宣伝、お客様とのコミュニケーションやファンづくりなどがあります。

ソーシャルメディア活用の目的は、リードに自社商品やサービスへの関心や信頼を高め、Webサイトへの誘導や口コミ拡散などを促すことです。

ソーシャルメディア活用を行う際の注意点として、ソーシャルメディアはターゲット層に合わせて選択することや定期的に投稿や更新を行う必要があります。また、リードとのコミュニケーションも大切にしましょう。

Web広告

自社商品やサービスに関する広告をWeb上に掲載することです。Web広告には、検索エンジンやSNSなどのプラットフォームによって提供される広告や、自社で運営するWebサイトやブログなどに掲載する広告などがあります。

Web広告の目的は、リードに自社商品やサービスを知ってもらい、Webサイトやランディングページへの誘導や問い合わせなどのアクションを促すことです。

Web広告を行う際の注意点として、ターゲット層や目的に合わせて適切なプラットフォームや形式を選択したり、予算や期間を設定し、効果測定や分析を行いましょう。また、クリエイティブを工夫し、リードの注意や興味を引くことも大事です。

メールマーケティング

自社商品やサービスに関する情報をメールで送信することです。メールマーケティングには、リードからメールアドレスを取得するためのフォーム設置や、リードにメールでコンテンツ配信やフォローアップなどを行うことがあります。

メールマーケティングの目的は、リードに自社商品やサービスへの関心や信頼を高め、商談や成約などのアクションを促すことです。

メールマーケティングを行う際の注意点として、メールアドレスを取得する際にリードに明確な同意を得ることやメール送信する際は適切なタイミングや頻度で送ることが大事です。また、メール作成する際は魅力的な件名や本文、CTAを設定しましょう。

リード獲得施策のKPI設定・分析方法

リード獲得施策を行う際には、目標や成果を測るためにKPI(重要業績評価指標)を設定する必要があります。KPIとは、ビジネスの目的や戦略に沿って定められた数値目標で、施策の効果を客観的に評価するための指標です。

リード獲得施策におけるKPIとは

リード獲得の量や質を測ることができる指標のことで、主にコンバージョン数やフォーム遷移率、リードスコアなどがあります。

コンバージョン数はユーザーが実際にアクションを起こした回数のことでリード獲得施策の最終的な成果を表すKPI、フォーム遷移率はアクションの割当のことでフォームページの魅力や使いやすさを測るKPI、リードスコアはリードの質や成約確度を数値化したものでリードの優先順位付けや営業への引き渡しのタイミングを判断するKPIのことです。

KPIの設定方法

リード獲得施策におけるKPIを設定する際は、SMART原則(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)に沿って具体的で明確に定めることやビジネス目標や戦略と整合性があること、また定期的に見直しや改善を行うようにしましょう。

具体的な各KPIの設定方法は以下のとおりです。

コンバージョン数

目標とする成約数や売上額を決めます。次に、成約率や平均単価などのデータをもとに、必要なリード数を逆算します。最後に、リード獲得のために設置したフォームやボタンなどのコンバージョンポイントごとに、目標とするコンバージョン数を割り振ります。

フォーム遷移率

現状のフォーム遷移率を把握します。次に、業界や競合のベンチマークや自社の過去のデータなどを参考に、目標とするフォーム遷移率を決めます。最後に、フォームページの改善やテストを行って、目標値に近づけるようにします。

リードスコア

リードが持つ属性や行動に対してポイントを割り振ります。次に、リードスコアごとにリードのステージ(例:MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)、SQL(セールス・クオリファイド・リード)など)や営業への引き渡し基準を決め、最後に、リードスコアの算出方法や更新頻度などを定めます。

例として、以下のようなポイント表と基準表があります。

属性ポイント
業種IT:10点/その他:5点
役職経営者:10点/課長以上:7点/一般社員:5点
連絡先メールアドレス:5点/電話番号:10点
行動ポイント
ページ閲覧トップページ:1点/サービス紹介ページ:3点/お問い合わせページ:5点
メール開封開封した場合:3点/開封しなかった場合:‐1点
キーワード検索リード獲得とは:5点/リード獲得方法:7点/リード獲得施策:10点
資料ダウンロードダウンロードした場合:10点/ダウンロードしなかった場合:‐5点
リードスコアステージ営業への引き渡し基準
0〜29点NQL(ノット・クオリファイド・リード)引き渡さない
30〜49点MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)引き渡す
50点以上SQL(セールス・クオリファイド・リード)優先的に引き渡す

このようにリードスコアを設定することで、リードの状況やニーズを把握しやすくなります。また、営業とマーケティングの連携もスムーズになります。

KPIの分析方法

KPIを設定したら、次にKPIの分析方法を考えます。KPIの分析方法は、オンラインとオフラインの2つに分けられます。オンラインとは、ウェブサイトやメールなどのデジタルな媒体で行われる施策の分析方法で、オフラインとは、電話やイベントなどの非デジタルな媒体で行われる施策の分析方法です。ここでは、オンラインの分析方法について紹介します。

GA(Google Analytics)の活用(オンライン)

GAとは、ウェブサイトのトラフィックやユーザー行動などを測定・分析できるツールです。GAを活用することで、リード獲得に関係するページのアクセス数や滞在時間などを確認できたり、フォームページへの流入経路や離脱率なども把握が可能になります。また、コンバージョン数やコンバージョン率、リードの属性や地域なども調べることができます。

GAを活用するには、まずウェブサイトにGAのトラッキングコードを埋め込み、目標とするコンバージョンポイントを設定します。最後に、ダッシュボードやレポートからKPIに関するデータを見て分析します。

ヒートマップツールの活用(オンライン)

ヒートマップツールとは、ウェブサイト上でユーザーがどこをクリックしたり、どこまでスクロールしたりしたかを色分けして可視化できるツールです。ヒートマップツールを活用することで、ユーザーが注目している部分や無視している部分を把握でき、フォームページやCTAの配置やデザインが適切かどうか確認することができます。また、ユーザーが離脱するポイントや理由も推測できます。

ヒートマップツールを活用するには、まずウェブサイトにヒートマップツールのトラッキングコードを埋め込み、分析したいページや期間を選択します。最後に、ヒートマップからKPIに関するデータを見て分析します。

リード獲得施策のPDCAサイクルの回し方

リード獲得施策におけるPDCAの回し方とは

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つのステップを繰り返すことで、品質や効率を向上させる方法です。PDCAサイクルを回すことで、リード獲得施策の効果を測定し、改善点を見つけ出し、最適化していくことができます。

PDCAの具体的な回し方

それでは、具体的にPDCAサイクルを回す方法を見ていきましょう。

リード獲得施策の計画を立てる

計画を立てる際の注意点は、リード目標をSMARTに設定することやリード獲得の方法や手段を選択するようにします。また、指標や予算を決めたり、期間やスケジュールも設定する必要があります。

これらの点を考慮して、リード獲得施策の計画を立てるようにしましょう。計画は、文書や表などで明確に記録して見える化するとよいでしょう。

施策を実行する

計画通りに施策を実施することで、計画と実行のギャップを減らし、効果的なリード獲得ができます。実施した施策の内容や結果を記録しておくと、後で分析や評価がしやすくなります。リード獲得の指標を定期的に測定すれば、目標達成度や進捗状況を把握できます。リード獲得の過程で発生した問題や改善点をメモしておくと、次回の施策に活かせます。

施策成果の振り返りを行う

リード獲得の目標と実際の結果を比較することで、目標達成度や効果測定ができ、指標ごとに分析するとリード数やコスト、クオリティ、ソースなどの詳細な情報がわかります。また、リード獲得の方法や手段ごとに分析すれば、どの方法や手段が効果的だったかがわかり、リード獲得に影響した要因や背景を考えることで、成功要因や失敗要因を把握できます。

振り返りは、グラフや表などで視覚的に表現するとわかりやすくなります。

リード獲得方法リード数リードコスト
ウェブサイト5010万円
SNS305万円
ブログ203万円
セミナー1015万円
アウトバウンド520万円
リファラル100円

この表から、ウェブサイトやSNSがコストパフォーマンスが高い方法であることがわかります。また、セミナーやアウトバウンドはコストが高く効果が低い方法であることやリファラルはコストがかからない方法ですが、リード数も少ないことがわかります。

成果の振り返りを受けて次回のアクションを決める

成果が良かった方法や手段は継続することで、リード獲得の効率や効果を高めることができます。成果が悪かった方法や手段は改善するか見直しをし、リード獲得の無駄やロスを減らしましょう。

新しい方法や手段を試す場合は仮説を立て、その効果を検証することができます。次回の目標や計画を修正すると、現実に合わせた最適なリード獲得施策を行うことができます。

まとめ

この記事では、リード獲得施策のPDCAサイクルの回し方とその具体的な方法を紹介しました。リード獲得は営業活動の第一歩であり、効果的に行うと売上や利益の向上につながります。また、リード獲得施策のPDCAサイクルを回すことで、リード獲得の効果を測定し、改善点を見つけ出し、最適化していくことができます。

ぜひ、この記事を参考にして、効果的なリード獲得施策を行ってみてください。

飯降弘之

BALES BPOカンパニー 営業統括本部 マーケティング部
2017年4月に新卒で医療機器メーカーに入社。3年間病院営業に従事したのち、2年間法人営業を経験。2022年7月にスマートキャンプへ入社。BALESカンパニーでマーケティングを担当し、広告運用やセミナー関連を担当。12月よりBALESのブランディングも兼務。

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