リードとは
自社が扱っている商品やサービスに興味を持ってくれる見込み顧客のことで、営業活動の出発点となります。見込み顧客を獲得し、成約に導くことが、マーケティングや営業の目的です。見込み顧客には様々な種類やフェーズがあり、それぞれに合わせたアプローチをすることが、効果的な営業につながります。
リードの種類とフェーズ
リードの種類 | フェーズ | 特徴 |
マーケティング・クオリファイドリード(MQL) | 興味 | 商品やサービスに興味を持っているが、 購入意欲が低いリード |
セールス・クオリファイドリード(SQL) | 意欲 | 商品やサービスに興味を持ち、 購入意欲が高いリード |
オポチュニティリード(OL) | 意思 | 商品やサービスに対して、 具体的な購入意思を示したリード |
マーケティング・クオリファイドリード(MQL)
自社の商品やサービスに興味を持っているが、まだ購入意欲が低いリードのことです。ウェブサイトの訪問やコンテンツのダウンロードなど、マーケティング活動によって獲得します。獲得したばかりは営業の対象ではなく、対象にするためにリードナーチャリングという手法を用いて、リードの購入意欲を高める必要があります。
セールス・クオリファイドリード(SQL)
自社の商品やサービスに興味を持ち、購入意欲が高いリードのことです。リードナーチャリングやテレマーケティングなど、営業活動によって獲得し、営業の対象です。営業担当者が直接コンタクトを取り、ニーズや予算などを確認し、提案や見積もりを行うことで、契約に近づけることができます。
オポチュニティリード(OL)
自社の商品やサービスに対して、具体的な購入意思を示したリードのことです。SQLの中でも最も成約に近いリードです。営業担当者が最終的なクロージングを行うことで、契約に至ることができます。
リードの獲得方法 | アウトバウンド型とインバウンド型
アウトバウンド型
自社から見込み客にアプローチする方法です。メリットは自社のターゲットとなる見込み客に直接的に訴求できることで、デメリットは見込み客の反応が低いことや、コストが高いことです。アウトバウンド型の代表的な手法には、以下のようなものがあります。
広告出稿
新聞や雑誌、テレビやラジオ、インターネットなどのメディアに自社の商品やサービスの広告を掲載することです。広範囲の見込み客にアピールできます。
展示会・セミナーの開催
自社の商品やサービスを展示したり、専門的な知識や情報を提供したりするイベントを開催することです。見込み客と直接対話できることや、自社のブランドイメージを高められます。
DM(ダイレクトメール)
郵送やFAXなどでリードに情報を送る方法です。商品やサービスの紹介、キャンペーンやイベントの案内、アンケートやモニターの募集などが含まれます。リードの属性やニーズに合わせてセグメントできることや、リードの反応を測定できます。
テレマーケティング
電話でリードに営業を行う方法です。テレマーケティングには、アポイントメントの取得、商品やサービスの紹介、アフターフォローなどが含まれます。リードと直接コミュニケーションができることや、リードの反応や意向を即座に把握が可能です。
インバウンド型
近年注目されている新しい方法です。営業担当者がリードにアプローチするのではなく、リードが自ら情報を求めてくるようにします。インバウンド型のリード獲得方法には、以下のようなものがあります。
ウェブサイト
インターネット上に公開されているページの集合のことです。商品やサービスの紹介、ブログやコラム、資料のダウンロード、お問い合わせフォームなどがあります。リードが自分のペースで情報を得られることや、行動や興味を分析することが可能です。
SNS
ソーシャルネットワーキングサービスの略で、FacebookやTwitterなどのオンラインコミュニティのことです。商品やサービスの紹介、口コミや評判の拡散、キャンペーンやイベントの告知などがあります。リードとの関係性を深められたり、ニーズや意見を聞くことができます。
メールマーケティング
メールでリードに情報を送る方法です。ニュースレターやメルマガ、商品やサービスの紹介、キャンペーンやイベントの案内などがあります。リードの属性やニーズに合わせてパーソナライズできることや、リードの反応や効果を測定することが可能です。
リードの管理方法 | 3つのステップ
リードジェネレーション
リードを獲得することで、営業の対象となる見込み客の数を増やすことです。リードジェネレーションの方法は、前述したアウトバウンド型とインバウンド型の2種類があります。どちらの方法もメリットとデメリットがあり、自社の商品やサービス、ターゲットとなる見込み客の特徴に合わせて選択する必要があります。
リードナーチャリング
見込み客と継続的に接点を持つことで、見込み客の満足度や信頼度を高めます。メールマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、コンテンツマーケティングの3つの方法があり、見込み客のニーズや状況に応じて、適切なタイミングで適切な情報を提供します。ポイントとしては、見込み客の疑問や悩みに答えることや関心や意思決定を促すことです。
リードクオリフィケーション
見込み客の興味度合いを可視化することで、成約に近い見込み客を優先的にフォローアップします。リードクオリフィケーションでは、BANT法(Budget、Authority、Need、Timing)、RFM法(Recency、Frequency、Monetary)リードスコアリングの3つの方法があり、見込み客の属性や行動、意向などを分析します。ポイントとしては、見込み客の成約確度や優先度を明確にすることです。
見込み客の状況や動向の可視化に役立つツール
見込み客の可視化ツールとは
見込み客の情報や活動をグラフや表などで表示するツールのことで、CRM、BI、SFAなどがあります。それぞれのツールを使うことで、見込み客の状況や動向を視覚的に把握でき、管理や分析を効果的に行うことができます。
CRM(Customer Relationship Management)
顧客の情報や履歴を一元管理するツールのことです。主な機能は、下記があります。
・見込み客の属性やステータスなどを登録・編集・検索
・見込み客の行動や反応、コミュニケーションの履歴を記録・閲覧
・セグメントやスコア、ランクなどを設定・変更・確認
見込み客の情報や活動を一覧で見れるので、管理やフォローアップを効率化できます。
BI(Business Intelligence)
ビジネスに関するデータを分析するツールのことです。主な機能は、下記があります。
・見込み客の属性や行動、意向などのデータを収集・整理・加工
・見込み客の傾向やパターン、予測などの分析
・分析結果をダッシュボードやレポートなどで可視化
見込み客のデータを深く理解できるので、戦略や施策を最適化できるようになります。
SFA(Sales Force Automation)
営業活動を自動化するツールのことです。主な機能は、下記があります。
・見込み客のアプローチやフォローアップのスケジュールやタスクを管理・アプローチ、フォローアップ結果を自動的に記録・報告見込み客のアプローチやフォローアップの時間や手間を削減できるので、品質や一貫性が向上できます。
まとめ
今回は、リードについて種類や獲得・管理方法、管理/分析ツールを徹底解説しました。リードは、営業の成果に直結する重要な要素で、状況や動向を可視化することで管理や分析を効果的に行えるようになります。
この記事が営業活動のお役に立てば幸いです。